巡業
本年も、2月10日をもって・・・
日蓮宗大荒行堂、100日の結界が解かれました。
この修行に挑むため、全国各地から参集した僧侶も・・・
現在は、自坊(自分の在籍するお寺)への帰路に。
100日ぶり(本当はそれ以上ですが)に、修行を終えて帰る訳ですから。
それぞれのお寺では、無事帰ってきたことを、御宝前に奉告するため・・・
“帰山奉告式(きざんほうこくしき)”という式典が、執り行われます。
違った言い方を、すれば。
修行僧にとって、初めてお寺に戻るのは“帰山奉告式”の当日で・・・
それまでは、(荒行堂を成満したとは言え)帰宅できません。
では、「当日までは、何してんの??」ということになりますが。
“帰山奉告式”には、共に100日間を修行した仲間に、出仕を願う訳です。
綿密なスケジュールを、組みながら・・・
それぞれが、それぞれの“帰山奉告式”のために、全国を渡り歩くことになります。
我々の業界では、これを「巡業」と。
・・・本日(2月15日)は、山武市「本行寺」さまへ。
無事に“初行(初めての修行)”を終えた・・・
「冨永一真上人」の“帰山奉告式”が、執り行われました。
総代さんのお宅より、“行列”して帰山します。
“帰山奉告式”を前に、“水行”で心身を清めます。
御宝前も、“帰山奉告式”仕様に。
大荒行成満の証である、“許證(きょしょう)”が授与されます。
迫力ある、荒行僧の読経に続き、“帰山奉告文”が読み上げられ・・・
お祝いに駆けつけた、檀信徒の皆さまへの“ご祈祷”を。
私自身は、この日“(拙い)司会”を務めさせていただきました。
また、この日に至るまで、様々な“準備・打ち合わせ”を重ねてまいりましたが。
「待つ者も、修行」との、言葉通り。
両親でもある、ご住職夫妻の様子は、殊に印象的で・・・
帰山した副住職への“愛”を感じることのできる、“帰山奉告式”でした。
・・・“帰山奉告式”前日には。
荒行僧の皆さまの、送迎・打ち合わせ等の都合のため、近隣に宿を取るのが慣例。
もちろん、手伝う我々も、それに付き添うのが当然のことで。
決して、寝坊や怠慢で、“朝勤”をお休みしている訳ではないのですよ。
私の「巡業」も始まった、ということです。。。