ファミリービジネス

先日の予告通り、檀信徒研修会「知恩報恩」が・・・

IMG_0330多古町文化ホールにて開催され、スタッフとして参加してまいりました。

 

下記画像は、開会式の後に厳修された、“御報恩法要”の様子。

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参加者(約500名)に対し、“ご祈祷”も行われ・・・

法要終了後には、“高座説教”を拝聴。

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閉会セレモニーとして、少年少女有志による“合唱”と・・・

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・・・参加の皆さまは、有意義な一日を過ごすことが出来たのではないでしょうか。

 

ちなみに・・・

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うちのアレも、“出店依頼(?)”をいただきまして。

(料金は、すべて寄付させていただきました。。。)

 

・・・さて。

 

先日、テレビを見ていますと、いわゆる“お家騒動”。

「“〇〇家具”の、株主総会が行われ。。。」

・・・と、その決着が報道されたことは、皆さんもご存知のことかと。

 

「家族で揉めるなんて、悲惨だねぇ。。。」

・・・なんて、他人事では済まされません。

 

“同族経営・世襲制”の企業を、「ファミリービジネス」なんて言いますが・・・

一説によれば、世界の企業数の“約7割”は「ファミリービジネス」で。

 

さらに言えば、日本の「ファミリービジネス」の割合は・・・

なんと、“95パーセント”というから、驚きです。

 

僧侶の“婚姻”が正式に認められた、明治時代以降・・・

お寺の「ファミリービジネス」率は、きっと“超高確率”でしょう。

 

まぁ、どうでも良いんですけどね。

 

そんなことよりも、(お寺に関して)恐ろしいのは・・・

“完全家族経営”とも言うべき、外部遮断型の経営体制の、割合の高さ。

(うちも、まったくその通りですが。。。)

 

また、輪をかけて恐ろしいのが・・・

有資格者に対する、“経営者”の割合の高さでしょう。

 

こと“経営”に関しては、(我々の業界)勉強不足は否めず・・・

「経営=金儲け=恥ずかしいこと」

・・・という図式も、拭いきれていないのが、現状かもしれません。

 

話は、逸れましたが。

 

“完全家族経営”の、我々にとっては・・・

出来ることと、出来ないこと。

やりたいけど、出来ないこと。

皆んなでやれば、出来ること。

・・・と、様々なケースが、ございます。

 

上記(檀信徒研修会「知恩報恩」)のようなことも・・・

全てのお寺が、各お寺単位で出来ることではありません。

 

“見せる”ことは容易くても、“魅せる”ことは難しいのです。

スタート

先日、“満104歳”の方のご葬儀に、関わる機会を得ました。

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“明治生まれ”とひとくくりにしては、失礼な話ですが・・・

「明治→大正→昭和→平成」と、世の中の移ろいは、どうご覧になったのでしょうか。

 

「最近の若いもんは。。。」なんて、よく聞く言葉ですが。

見方を変えれば、その発言は・・・

世の中の流れに、ついていけなくなっているだけのことかもしれません。

 

私も、言われる立場から言う立場に、変わっていくのでしょうか??

時代の流れには、ついていきたいものですが。

 

さて。

 

季節は巡り、うち(宗勝寺)の“ソメイヨシノ”も・・・

「もう間もなく。。。」と、言ったところ。

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報道では、都内でも桜が“開花”したそうで。

 

(何とも味気ない話ですが)私が、“春”を実感するのは・・・

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車のタイヤを、「スタッドレス→サマータイヤ」に履き替えた時。

 

いずれにせよ、気候はめっきりと、春めいてまいりまして・・・

自然の摂理からしても、新たな「スタート」を切るには、良い季節なのかもしれません。

 

そういえば、昨年の研修会にてお世話になった「三升家う勝」師匠が・・・

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“真打”に昇進されたという話を、伺いました。

 

四代目「桂右女助(うめすけ)」を襲名し、素晴らしい「スタート」をお切りになった訳で・・・

(ほぼ)同郷の方の躍進に、期待を膨らませるばかりです。

 

落語の舞台のことを、“高座”といいますが・・・

その大元を辿ると、“高座説教”というものから派生したと言われています。

55 高座説教

特に、日蓮宗の“高座説教”は、有名で。

 

日蓮大聖人の御一代を踏まえながら語られる、伝統的な説教は・・・

特別な修練(詳細は割愛します)を積まなければ、行うことはできません。

 

・・・興味を抱いた、あなた。

 

なんと、明日(3月29日)。

檀信徒研修会「知恩報恩」にて、“高座説教”をご覧いただけます。


・・・“御報恩法要(動画は以前のものです)”も、厳修されます。

 

【檀信徒研修会「知恩報恩」】

主催:日蓮宗千葉県東部宗務所
共催:日蓮宗千葉県東部檀信徒協議会

会場:多古町コミュニティプラザ文化ホール
(千葉県香取郡多古町多古2855)

12:00~ 受付
13:00~ 開会式
13:10~ 御報恩法要
14:30~ 高座説教
15:45~ 閉会セレモニー

※入場無料/800名収容

 

お時間ある方は、ぜひお越しください。
(当日参加可能です。。。)

寺は、大黒でもつ

昨日は、多古町「能満寺」さまにて・・・

「彼岸会」に、出仕させていただきました。

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また、併せて「大黒祭」も、厳修。

 

“大黒天(大黒さま)”の秘法は、日蓮宗大荒行堂の・・・

参行僧(3度目の入行)に、相伝されるもの。

 

御宝前には、檀信徒の各家庭より持ち寄られた、“子大黒”のご尊像。

その秘法に則り、一体一体丁寧に“沐浴”され・・・

最後には、参列の皆さまへご祈祷させていただきました。

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“大黒さま” と言えば、「福徳・食糧(食堂)・生産・貿易」を司り・・・

「五穀豊穣・商売繁盛・長寿・出世・開運 etc.」の、ご利益が。

 

まさに、“福の神”というイメージで・・・

お寺だけでなく、様々なお宅でお祀りされるようになった訳です。

 

さて。

 

私が、“20代前半”の頃でしょうか。

ある檀家さん(女性)が、事有る毎に・・・

「早く、“大黒さん”をお迎えしなきゃねぇ。。。」と。

 

当時、荒行堂に入行するなんて、“これっぽっち”も思っていなかった私は・・・

「3回も、行って来いってことか。。。」

・・・と、“苦笑い”を浮かべたのでした。

 

その後、「大黒 = お寺の奥さん」ということを知り・・・

それはそれで、“苦笑い”を浮かべることになった訳ですが。

 

お寺の奥さんは、(日蓮宗では)“寺庭夫人(じていふじん)”なんて。

“大黒”というのは、(多くの宗派で用いるものの)あくまで、“俗称”のようで・・・

大黒天が、“台所”にお祀りされることに、なぞらえているそうな。

 

「寺は、大黒でもつ」なんて言葉も、あるくらいで・・・

まさに、“大黒柱”をイメージしてしまいますが。

 

僧侶の“妻帯”が許されたのが、明治時代ということから考えれば。

よくぞこの短期間で、これだけ幅を利かせ・・・

・・・もう何も言うまい。。。

 

ちなみに。

 

私が結婚した際、(特に檀家さんから)最も質問されたのは・・・

「やっぱり、(相手は)お寺の娘さん??」ってやつ。

 

「寺 to 寺」のパターンは、(私の周りでは)指折り数える程度。

昔は、そんな感じが多かったんでしょうか。

 

(一般家庭で育った)妻に、聞いてみました。

「“寺に嫁ぐ”って言ったら、周りは何て言ってた??」と。

 

一番多かったのは、「大変そう/よく決断した」という意見だそうですが・・・

本人曰く、「勤めてた時の方が、よっぽど大変。。。」とのことで。

 

「肉とかお酒はダメなの??」なんてことも、聞かれたそうですが。

思わず、笑ってしまったのは・・・

「医者と坊主は“変態”だって聞いたけど、大丈夫??」ってやつ。

 

・・・もう何も言うまい。。。

あかんたれ

本日(3月18日)は「(春)彼岸」の、“入り”の日。

 

「春分/秋分」を中日とし、その前後3日間を合わせた・・・

合計7日間の期間のことを、「彼岸(ひがん)」といいます。

 

「彼岸」を読み下せば、「彼(か)の岸 = 向こう岸」と。

その“向こう岸”には、「迷いの無い世界」があるとされ・・・

言ってみれば、それが仏教でいうところの“悟り”ということになるのでしょう。

 

“向こう岸”があれば、“こちら岸”もある訳で。

「彼岸」に相対し、“迷い・苦しみ”にまみれた「此岸(しがん)」という世界が・・・

私たちがいる、この世界だということ。

 

つまり、「此岸/彼岸」の間には・・・

“煩悩(迷い)の川”が、流れているという考えになります。

 

仏教徒の“最終目標”は、「成仏(仏に成る)」すること。

それは、“悟り”を開くことであり、言い換えれば“煩悩(迷い)の川”を渡り・・・

「彼岸」に、行くことなのです。

094 彼岸花 その3

上記の話に、一切興味を持つことができなかった、あなた。

それは、至極当然のことかもしれません。

 

「仏に成る、成らない」なんて聞いたら・・・

「あ、私には関係ない話だ。。。」と。

 

あなたは、“結果”が遙か遙か彼方にあるものに、尽力できますか??

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(完全に個人的意見ですが)私は、“結果”がすべてだと思っています。

「過程が大事だ」なんて、言い訳に過ぎないとも思っています。

 

ただ、結果が“ダメ”と分かっていたとしても、“成功”に向けて尽力したなら・・・

その過程こそ、“結果”なのかもしれません。

むしろ、過程の無いものに“結果”なんて有り得ない訳ですから。

 

にも、似たようなこと書きましたが・・・

人生何事も、やらなきゃ“損”ですよ。

 

・・・と、いう訳で。

 

「彼岸」に近づくためには、“六波羅蜜(ろくはらみつ)”なる修行をせよ、と。

①「布施(ふせ)」は、分け与えること。

②「持戒(じかい)」は、戒律(ルール)を守ること。

③「忍辱(にんにく)」は、耐え忍ぶこと。

④「精進(しょうじん)」は、最善を尽くすこと。

⑤「禅定(ぜんじょう)」は、心を集中・安定させること。

⑥「智慧(ちえ)」は、真実の認識力を得ること。

 

一般的には、「彼岸」の7日間には“六波羅蜜”をひとつずつ実践し・・・

「中日には、ご先祖さまの供養を。。。」なんて、言われています。

 

また、あくまでも“六波羅蜜”は、常に実践し続けなければならないもので・・・

「彼岸」は、その“強化週間”と言ったようなもの。

 

そんな“強化週間”を、設定しなければならないほど・・・

私たちは、「あかんたれ」ということでしょうか。。。

当たり前

先日、(それぞれ異なったタイミングで)3人の方に・・・

「お前、最近太ったな。。。」と、指摘されました。

 

しばらく体重計にも乗っていないので、否定も肯定もできませんが・・・

運動らしい運動をしていないのも、事実。

苦笑いを浮かべるのが、関の山だった訳で。

 

しかしながら、恐る恐る体重を測ってみると、まさかの“2キロ減”。

もはや、何が何だか分かりません。。。

 

こんな時、「都会は“スポーツジム”が近くにあって良いなぁ。。。」と、思ってしまいます。

でも、都会の方は「千葉に住んだら、“ゴルフとサーフィン”やり放題だ」なんて。

 

「隣の芝は青い」ってやつでしょうか。

 

まぁ、私の性格上「運動のために運動をする」というのも、実は苦手だったりしますので。

結局、運動を兼ねて(?)ということで・・・

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今年初となる、“草抜き”を。

 

運動と思えば、やってやれないこともありませんが・・・

やはり、この作業に精を出す時季が到来したかと思うと、辟易とします。

 

お参りの方にとって、お寺がキレイであることは・・・

私にとって、「当たり前」のことだと思っています。

 

でもやっぱり、当たり前は、当たり前ではないんですよね。

毎日(それなりに)元気で、飯食って、仕事して、風呂入って、寝る、ってのも。

 

「人から感謝されるようなことする」ってことが・・・

逆に、「人への感謝を実感する」ことになるのかもしれません。

 

境内の、(休憩用)石製テーブルを見ると・・・

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「ここで、子どもが遊んでくれてたんだな。。。」なんて、想像。

 

気持ちが、和みますね。

 

でも、それが“数か所”あると・・・

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「オイ、保護者、コラァ。。。」なんて。

 

とにかく。

 

境内を自分の足で、くまなく歩くことは大切なんです。

設備に不備があれば、すぐに気が付きますし・・・

(私にとって)新たな“インスピレーション”が湧くのも、この時。

 

(報告が遅くなりましたが)お蔭さまで、鋭意進められていた・・・

鬼子母神堂」の“(プチ)改修工事”も、つつがなく終了。

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内外にわたり、傷みの激しい個所は修繕されました。

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思い付きで、設置させていただいたのは・・・

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ポール型の、“賽銭箱”。

 

あとは、アレが完成したら、コレをこうして・・・

・・・という訳で、詳細はまた後日。

忙しい

「〇〇日の△△が終われば、“一段落”だからさ!」

「ゴメン、××日に◇◇の予定が入っちゃった。。。」

・・・ってのを、繰り返し。

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いつの間にやら、境内の“梅”の花も、満開となってしまいました。

 

同業(僧侶)の、皆さん・・・

・・・ご家庭は、“円満”ですか??

 

「寺ってのは、そんなもんだ」

「今時、週休二日なんて、公務員と学生くらいだ」

「仕事があるうちが、華だ」

・・・なんて、(我々の業界では)よく聞く言葉だったりします。

 

法務は、“先約優先”が当たり前ですが。

それが、“プライベート”と天秤に掛けられた際は・・・

恐らく、(ほとんどのケースで)“法務”が優先されてしまうのではないでしょうか。

 

冒頭の発言だって、「嘘つき」と言われれば・・・

返す言葉も、無く。

 

私の両親は、私が幼少の頃・・・

プライベートな“お出かけ”の際は、当日まで私に“秘密”にしていたそうな。

大人ならともかく、子どもには(いわゆる冒頭の“ウソ”は)理解できませんから。

 

さて。

 

こんなことを書きますと、私が「忙しい」のかと思われてしまいますが・・・

(決して)そんなことは、ございません。

 

食事も睡眠も、概ねきちんと取れていますし・・・

精神的な平穏も、保っていますから。

 

私は、人の性格に口を出せるほど、人間が出来ていませんが・・・

自分自身、確信が持てる“アドバイス”として申し上げるなら。

 

「忙しい」と、口に出さない方が良い。

 

「忙しい」とは、「心を亡くす」と書きますから・・・

物事に追われ、心の余裕を消し、人が離れ、すべてが中途半端になる。

 

・・・なんて、使い古されたような“理屈”の話ではありません。

 

私個人の感じ方かもしれませんが、「忙しい、忙しい。。。」という人は・・・

概ね、仕事が遅いだけ。

もしくは、段取りが悪い。

または、だらしない。

 

じゃ、「“忙しい”って言わなきゃ、仕事が早くなるのかよ」と、言われれば・・・

・・・もちろん、早くなりますよ。

少なくとも、「忙しい」と発言した分の時間は、詰められます。

 

古来、日本には“言霊(ことだま)”といい・・・

言葉に、“霊的な力”が宿るとされてきました。

 

自分の発言ひとつで、人が喜んだり、怒ったり。

そう考えれば、言葉にどれだけの力があるか、お分かりかと思いますし・・・

それは、自分に対しても同じことだと思います。

 

言葉に、“霊的な力”が宿ると信じ・・・

それが、“真実”となることを祈念して申し上げます。

 

「3月中旬になれば、“一段落”だからさ!」

正五九

先日、申し上げました通り・・・

現在、年頭(旧正月)“お経廻り”の真っ最中。

 

「正五九(しょうごく)」という言葉を、ご存知でしょうか??

平たく言えば、“正月・五月・九月”のことで・・・

別の言い方で、“三斎月”とも。

 

「正月=物事の“始まり”」

「五月=物事が最も“盛ん”になる時」

「九月=物事が“実を結ぶ”時」

 

・・・ということ(“区切り”という意味)から。

「正五九」には古来より、“お参り・お祓い・お祭り”が盛んに行われてきました。

 

また、(諸説ありますが)いわゆる“冥土の鏡(?)”が。

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「私たちの方に向けられる」とも、言われており・・・

そのため、せめて「“正五九”の間は、清く正しい生活を。。。」と。

 

「“正五九”=お経廻り」とするお寺も、ありまして・・・

うち(宗勝寺)の“お経廻り”も、この風習(の名残)として行っている訳です。

 

本日は、3月3日(桃の節句)ですね。

お仏壇に、“桜餅”がお供えされているお宅も多く・・・

また、“おすそ分け”として頂戴いたしました。

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お蔭で、お仏壇だけでなく、移動中の“車内”も・・・

この“桜餅”の良い香りに、包まれました。

 

本日お伺いしたお宅でも、様々な“雛人形”を拝見することができましたが・・・

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現在、地元(千葉県香取市)では「さわら雛めぐり」なるイベントも。

 

・・・今回の“お経廻り”中、当主である旦那さんが仰いました。

 

「(離れて暮らす)息子は、寺に興味がなくて困る」と。

息子曰く、「“葬式と法事”程度の依頼できれば、他に用は無い」と。

 

「“葬式と法事”やる気があれば、十分じゃないですか。。。」

・・・なんて、冗談半分で申し上げてしまいましたが。

 

“お正月”だろうが、“誕生日”だろうが、“クリスマス”だろうが・・・

何もやらなきゃやらないで、別に何も問題ありません。

 

体を壊さない程度の、栄養が取れれば・・・

“食事”だって、何を食べても死にはしません。

 

ただ、それじゃ、つまんないでしょ??

 

日本には、ありがたいことに“四季”があります。

それに加え、先人たちから伝えられた“慣習”があります。

 

その“時季”にしか出来ないことを、その瞬間にやってみる。

その“時季(旬)”のものを、食べてみる。

 

絶対に、楽しく、面白く、豊かです。

 

逆に言えば、何もやらなきゃ面白くない訳で・・・

せっかくの人生、“損”ですよ。

 

・・・と、付けくわえさせていただき。

旦那さんから、深い“頷き”を頂戴したのでした。

 

あ、そうだ。

 

“お経廻り”が、終わったら・・・

(初節句を迎える)息子の“五月人形”を、見に行こう。。。