お経本

昨日(2月28日)、“日蓮宗千葉県東部宗務所・檀信徒協議会”共催による・・・

「檀信徒研修会(テーマ:いのちに合掌)」が、多古町コミュニティプラザにて開催されました。

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構成としては、“講演(上画像)”と“御報恩大法要(下画像)”の、二本立て。

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(法要に出仕させていただいたため、開式前の画像しかございませんが。。。)

 

今般の御報恩大法要にあたっては、大本山「(小湊)誕生寺」さまより・・・

“日蓮大聖人御幼像”の出開帳を、していただきました。

 

“開帳”とは、お寺の仏像をお参り出来るよう、(お堂や厨子の)扉を開くことを、言いますが・・・

“出開帳(でかいちょう/でがいちょう)”とは、それを出張して行うこと。

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法要終了後は、間近でお参り出来るよう、場所をロビーに移しての出開帳が。

 

さて。

 

この法要にて、“使い初め”となりましたのが・・・

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こちらの、「お経本」。

製作にあたって、私も少々絡ませていただいたことが・・・

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今となっては、懐かしくすら感じる次第です。。。

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我々(日蓮宗)が読んでいるのは、“妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)”というお経です。

略して、“法華経(ほけきょう)”とも言います。

 

そもそもですが、お経とは、お釈迦さまの教えをを説いた“経典”のこと。

キリスト教で言えば“聖書”、イスラム教で言えば“コーラン”ですね。

 

お経は、凄まじい種類と、膨大な量が存在します。

その中で、(“正しい/間違い”ではなく)一体どの教えが“最重要”なのか。

 

「俺は、この教えが一番大事だと思うよ。。。」

「いや、これがBESTでしょう。。。」

・・・って感じで、同じ仏教徒、同じ日本の中ですら、“宗派”というものが確立されていく訳です。

 

法華経は、“諸経の王”と呼ばれます。

(ちなみに、世界シェアNo.1のお経です。。。)

 

「King of お経」たる所以については、様々な方が、様々な立場から説かれており・・・

それは有名どころで言えば、“天台大師”であったり、“聖徳太子”であったり、と。

 

お釈迦さまは、(真意である)法華経を説く為に・・・

(前段階として)順を追って、法を説きます。

 

乱暴に言えば、「理解能力が劣る者に対し、すぐに真意を説いたところで。。。」というやつで・・・

まずは、法華経を理解できるレベルまで、多様な教えを説く必要があった、と。

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ですから、手塚治虫氏の「ブッダ」でも、法華経を説くシーンは最終巻の最後の最後。

 

・・・このブログの特性上、これ以上突っ込んだ話は、致しません。

興味を持たれた方は、深く学んでみてはいかがでしょうか。。。

 

迷惑

2月の第3日曜日、香取市九美上(第三)地区では・・・

「清正公大神祇祭礼」が、執り行われます。

 

“清正公大神祇(せいしょうこうだいじんぎ)”とは、かの加藤清正が神格化・・・

つまり、没後“神さま”としてお祀りされ、現在に至るまで信仰されているものです。

 

当地区には、師匠のお寺「浄国寺」の清正公大神祇が、“分祀”される形で勧請。

そんなご縁で、現在は私がこの祭礼にお伺いし、読経させていただいている訳ですが。

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浄国寺より当地区に分祀されたのが、“昭和20年”のこと。

時代背景からもご推察の通り、当地区の“英霊”も、合祀される形でお祀りされています。

 

清正公大神祇へ、法楽荘厳のご祈祷をさせていただき・・・

併せて、当地区の英霊を含む諸霊位のご供養をお勤めさせていただきました。

 

さて。

 

屋外でのご祈祷を終えますと、少々ではありますが、鼻と目に違和感が。

今年もどうやら、“スギ花粉”のシーズンが始まりつつあるようで。

 

・・・と聞いて、「?」と思う檀信徒の方も、いらっしゃるかもしれません。

先日までの“年頭のお経廻り”の際、私の様子をご覧になった方は。

 

鼻水をすする私に対し、何人かの方はご心配いただき・・・

「住職、風邪ひいたの??」と。

 

「いえいえ、花粉症なんですよ」

「もう始まってるの??大変だねぇ。。。」

「ええ、温室育ちなもんで」

「アハハ、修行しても花粉症は治んねぇのか。。。」

 

そんな会話で、誤魔化しておりましたが・・・

実は私、花粉症は大したことは無いものの、ひどい“猫アレルギー”でして。

(ネコを含む動物全般、大好きなのですが。。。)

 

結果的には、ウソをついたことにはなります。

・・・が、「お前ん家の、ネコのせいだよ!」とは言えませんし、そんな気もありません。

 

誰でも、自分の“趣味・嗜好”を否定されるのは、嫌でしょう。

私自身も、自分がされたら嫌なことは、人にはしないようにしています。

 

否定をされないために、秘密裏に楽しむ方も少なからずいらっしゃいますよね。

「誰に迷惑掛けてる訳じゃないから。。。」

・・・と思うことが出来れば、(悪い言い方をすれば)自分が楽ですから。

 

これは、完全に私個人の考えですが、すべての事柄において・・・

人に迷惑を掛けないことなんて、ありません。

 

それは、「開き直れ」ということではなく・・・

「ありがとう・ごめんなさい」で生きましょうよ、ということ。

 

あなたが、特定の誰かに「迷惑」を掛けたくない、と言うのなら・・・

あなたのことを迷惑と思わないほどに、心を寄せて行動してみてはいかがでしょうか。

大反響

本日(2月12日)は、初甲子(はつきのえね)の日。

【“甲子”は、大黒さま(大黒天)のご縁日です。。。】

 

匝瑳市「長福寺」さまの“大黒祭”に、出仕させていただきました。

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大勢の檀信徒の皆さまが、ご自宅に勧請された“大黒さま”を、お持ちになり・・・

読経の中、ご住職の手によって尊像の“沐浴”。

 

一年間の汚れが清められた大黒さまを前に、ご祈祷させていただき・・・

法要終了後には“福引き”や宴席も設けられました。

 

・・・こうした行事や会議など、同業の皆さまと顔を合わせた際。

 

この頃、よく尋ねられることと言えば・・・

「反響は、どう??」ってやつ。

 

そう、アレのことなのですが。

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「交通安全のご祈祷が、殺到した」とか・・・

宗勝寺 郵送祈願の依頼が、爆発的に増えた」とか・・・

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・・・そんな劇的な変化は、特にございません。。。

 

さて。

 

先般お知らせしましたように、現在は年頭のお経廻り中。

「コミュニケーション第一」をモットーに、お参りさせていただいております。

 

・・・すると、意外なほどにこの話題が出る訳ですよ。

(確かに、年中行事の際にご報告はしましたが。。。)

 

そっち系には、あまり興味が無いであろう“ご婦人”が、雑誌を購入していたり・・・

「買いに行ったら、売り切れてた」なんて仰ってた方も、3名ほど。

 

(お互いに)車好きが発覚し、話が弾みすぎるほどに弾んだり。

S54Bある方は、帰り際に「これ、持ってけよ!」なんて・・・

有り難くも、“S54B(分かる人には分かる。。。)”の、ステアリングを。

 

早速、ピカピカに磨いて、寺務所の壁に飾らせていただきましたが・・・

(事務作業中も、テンション上がるわ。。。)

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・・・そういった意味からすれば、(私の中では)「大反響」でした。

 

本日は、上記出仕事業のため、年頭のお経廻りは、お休みさせていただきましたが・・・

明日より、(残り半分の件数)お参りを再開させていただきます。

 

部屋を暖めてお待ちいただき、ありがとうございます。

ご一緒に、“お経・お題目”をお唱えいただき、ありがとうございます。

読経後、お茶を淹れていただき、ありがとうございます。

 

毎年のことながら、感謝に堪えません。

また、佳品をご奉納賜ること、恐悦至極に存じます。

 

農業を営む方からの、“新鮮野菜”など・・・

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その味(と、香り)を、堪能させていただきました。

 

毎日、楽しく生きて・・・

いや、生かされていますね。

 

ありがとうございます。。。

新たな一歩

2月に入って初めての“午の日”のことを、「初午(はつうま)」と言います。

 

平成28年の初午は、昨日(2月6日)でしたが・・・

初午は、お稲荷さん(稲荷大明神)の“ご縁日”。

 

縁日とは、神仏と縁(ゆかり)のある日のことで・・・

この日にお参りすれば、“普段以上のご利益”をいただける、と。

 

奈良時代の初午に、(稲荷社の本社である)京都の伏見稲荷大社にて・・・

“稲荷大明神”が鎮座されたことから、という故事に由来されます。

 

この日、師匠のお寺「浄国寺」では、先般の予告通り・・・

「豊田岡田稲荷大明神大祭」が、厳修されました。

 

前日までに、境内も・・・

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皆さまからの“奉納旗”によって、荘厳され。

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また、寒空の下・・・

約60名の檀信徒の皆さまの、お参りをいただき。

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無事この大祭を厳修できましたこと、厚く御礼申し上げます。

 

さて。

 

この大祭が、一度は“廃れた”行事であり・・・

この日を以て“復活”に至った経緯も、先達て書かせていただきました。

 

終わってしまえば、何てことはありませんが・・・

やはり通常の考え方で言えば、復活に至るまでの道のりは、険しいですね。

 

廃れるには、廃れるだけの“原因”がある訳ですし・・・

同じ失敗は、繰り返さない方が良いに決まっています。

 

「新たな一歩」を踏み出すのは、素晴らしいことだとは分かっていても・・・

そのままでいたい、という心を隠し切れないのは、誰もが同じではないでしょうか。

 

“65才”からレストラン(ケンタッキーフライドチキンの前身)を始めた、彼しかり。

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“55才”から日本地図の測量を開始した、彼しかり。

(伊能忠敬は、地元(千葉県香取市)の偉人です。。。)

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「何かを始めるのに、遅すぎることはない」なんて、使い古しの言葉はどうでも良いんです。

 

新しいことを始める事は良いことか、と尋ねられれば・・・

100%、そうとは言い切れませんし。

 

ただ、個人的には「新たな一歩」が、大好きなんですよね。。。

 

(12月31日の)大晦日を経て、(1月1日)の正月を迎える。

節分で今年が終わり、立春から今年が始まる。

春節(旧暦正月)より、今年の始まり。

 

「どれが正しいの?」ではなく、どれも正しいんです。

今年に入って、世の中は既にこれだけの“きっかけ”を、与えてくれています。

 

冷たい言い方にはなりますが・・・

あなたがあなたなりの方法で、踏み出す時を決めるしかないのです。

 

【追伸】

春節(今年は明日、2月8日)より、宗勝寺では・・・

年頭のお経廻りに、お伺いさせていただいております。

 

該当の檀信徒の皆さま、よろしくお願いいたします。。。

笑顔

「一月は行く」なんて、言われますが・・・

やはり、あっという間に2月になってしまいました。

 

1日には、今年最初の“題目講”を、無事に終え・・・IMG_1684

3日には、多古町「妙光寺」さまの“節分会”に、出仕させていただきました。

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その文字が示す通り、「冬 / 春」の分かれ目を表す“節分”。

 

暦の上では、本日(2月4日)の“立春”をもって、新たな年が始まる訳で・・・

ある意味「節分 = 大晦日」とも、言えるのです。

 

「終わり良ければ、すべて良し」なんて、言いますが・・・

この節分に、旧年中の“災厄”を祓うことが、大切とも言えます。

 

“年男・年女”の皆さまに、ご祈祷させていただき・・・

境内に設置された舞台にて、“豆まき”が行われました。

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それにしても、皆さんの楽しそうな顔。

(敢えて画像加工してませんので、不都合があればご連絡ください。。。)

 

さて。

 

“須佐之男命(すさのおのみこと)”は、姉の“天照大神(あまてらすおおみかみ)”に、幾度も嫌がらせをし・・・

その結果、天照大神の侍女の命を奪うことになります。

 

これを鑑み、(太陽の神である)天照大神は“岩戸”の中に引きこもり・・・

天地は、闇に包まれました。

 

困った神々は、天照大神を引っぱり出すため、岩戸の外でお祭り騒ぎを始め・・・

最終的には、好奇心にかられた天照大神は外に出ることとなり、世の中に光が戻った、と。

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・・・これは、かの有名な“古事記”より、「天岩戸(あまのいわと)」の話。

(かなり掻い摘んでいるため、多少の語弊はあるかもしれませんが。。。)

 

天照大神は、なぜ岩戸から覗いてしまうほどに、気になったのでしょうか。

 

岩戸の外では、神々が様々な手段を講じる様子が、書かれていますが・・・

その引き金となったのは、「八百万(やおよろず)の神が、一斉に笑った」ことにあります。

 

人間も神さまも、「笑い声(笑顔)」には勝てません。

無条件に、引き寄せられてしまうんです。

 

私は、(仮に)現在勢いがあるもの(組織・団体・活動 etc.)でも・・・

そこに「笑顔」無きものなら、行く末は無いと思っています。

 

逆に言えば、「笑顔」があるものは、決して消滅しないと思いますし・・・

そんな場所こそ、人は集まるものだ、と。

 

もちろん、「笑顔」を出すべきではないような場であっても・・・

その後振り返ってみれば、その経験があってこそ「笑顔」になれる、ということもあるはずです。

 

やっぱり、楽しくなくちゃね。

楽しくないことの中で楽しさを見つける、という楽しさもありますしね。