秋の長雨

本日(9月19日)からの7日間は、秋の「お彼岸」です。

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「お彼岸」に関しましては、以前書かせていただいたものがございますので・・・

ご参照いただきたいと、思いますが。

 

秋のお彼岸の中日「秋分の日」は、法律(国民の祝日に関する法律)においても・・・

「祖先をうやまい、なくなつた人々をしのぶ」と、定められています。

 

宗勝寺の境内も、終日お墓参りにいらっしゃる方を目にすることが出来ました。

こうして、節目節目を大切にすることが、豊かに生きていく人の姿だと実感させてくれます。

 

・・・それにしても。

この「秋の長雨」、いつまで続くのでしょうか。

 

以前、妻が“ママ友トーク”の一部を、明かしてくれました。

「結婚すると、“洗濯”に関わるストレスが、ハンパない」と。

 

確かに、家族全員分の洗濯物をパリッとさせるのは、中々の重労働。

それには、天気の影響も大きい訳ですね。

 

かくいう私も、仕事柄たくさんの洗濯物を出してしまいます。

着物・作務衣・作業着・普段着 などなど。

 

ちなみに、雨天時の“生乾き臭”を除去するには・・・

熱湯(鍋)で5分ほど煮ると、良いですよ。。。

 

さて。

 

先日(9月15日)は、八千代市「長妙寺」さまへ。

「痔の呪(まじな)い」に、出仕させていただきました。

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旧暦8月“十五夜”に行われる、当行事。

種々、メディアにも紹介されております。

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日々、いわゆる“宗教離れ”が叫ばれ・・・

目に見えるものしか信じようとしない者が、増え続けている昨今ですが。

 

全国から訪れる参詣者に、朝から夕方までひっきりなしにご祈祷が行われます。

またその多くは、病が平癒したことによる、“お礼参り”の方々だったりもします。

 

・・・この日(旧暦8月十五夜)の月は、“中秋の名月”。

皆さま、「秋の長雨」の切れ目、ご覧になったでしょうか。

 

「お月見をしたり、お団子をお供えする」ということからも・・・

お月さまが、信仰の対象となっていることは、言うまでもありません。

 

月は「月天子(がってんし)」として神格化され・・・

「法華経の教えを護り弘めていく人々を、守護する」と言われています。

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龍ノ口の刑場にて、まさに斬首されんとする日蓮大聖人。

 

「江の島の方より、月のごとくひかりたるもの、まりのようにて辰巳の方より戌亥の方へひかりわたる」

これにより、太刀持ちは目がくらみ、兵はおじ恐れ、ついには頸切られるところを免れた、と。

 

この、「月天子」のご守護により命を助けられた、という伝承からも・・・

日蓮宗の私たちにとって、お月さまとのご縁は、特に深いとも言えるのです。。。

回復

久々に、体調を崩しています。

 

3日ほど前、唾液を飲み込むのがツラいほどの、喉の痛み。

それを、適当にやり過ごしていたところ、典型的な風邪の症状へ移行。

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今日は朝から、シトシトと雨が降っていますし・・・

法務の予定も無ければ、来客も無し。

 

不思議と昔から、何も無い時に限って、体調を崩す気がします。

気が抜ける?ことに、関係があるのでしょうか??

 

まぁ、振り返れば・・・

ロクに体を休める日も、作りませんでしたけども。

 

特にお盆が明けてからは、出張も多く・・・

OFFの日も、予定をねじ込むように、遊びに行ったりしましたから。

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恐らく、風邪の感染源は、先日の「千葉 ⇔ 京都」のどこかでしょう。

それにしても、良き結婚披露宴でした!

 

とにかく、天候も味方していることですし・・・

休息をとるにはもってこい、ということで。

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「買ったけど、見てねぇぞシリーズ」を、やっつけることに。

 

なるべく、頭を使わなくても良さそうな作品(?)を、選んではみたものの・・・

見てはウトウト、巻き戻して見てはウトウトと。

(結果、一本しか見ることは出来ませんでしたが。。。)

 

妻子も、私に休息を取らせるためか、感染を防ぐためか、寺務所に出勤することも無く・・・

久々の引きこもり生活を満喫、だいぶ「回復」することが出来たように思います。

 

・・・「回復」といえば。

 

もう、半月も前。

いつものように、“お焚き上げ”をしていた時のこと。

【お焚き上げ(浄梵式):仏具等を“報恩・感謝”の意を込めて読経し、浄火に付すこと】

 

以前、消防署の方より「大火にならぬよう、こまめに」とのご指導を頂戴しておりましたが・・・

お盆の後、ということもあってか、それなりの量があったんですね。

 

そして、その中には(宗勝寺では)お盆に用いる・・・

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“水塔婆(みずとうば:上画像)”が、ありまして。

これ、慣習により“青竹”で挟み、お墓にお供えする方がいらっしゃる。

 

・・・結論から言うと、この“青竹”が爆発。

 

火が付いた細かな炭を、頭からかぶったのですが・・・

その瞬間は、(久々の)スローモーション。

 

顔中汗だくで、水分のコーティングがされていたからか・・・

顔面から、「ジュージュー」いってる音に、焦りました。

 

とっさに、洗顔するように炭を払い・・・

事無きを得(軽い火傷程度)た訳ですが。

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これ、いわゆる“根性焼き”と呼ばれるような・・・

無意味な自傷行為の跡と、思われたら。

 

こればかりは、「回復」を願うばかりです。。。

改葬

先日、成田市内の霊園にて。

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この日は「改葬」のため、読経仕りました。

つまり、「当墓地→寺院境内墓地」へ、お墓の“引っ越し”ですね。

 

余談ですが、成田市内は空港建設による、代替地として・・・

このような小規模霊園が、多数存在します。

 

さて。

 

今回は、(様々な事情から)近年、お問い合わせが増加している・・・

「改葬(墓地移転)」について、まとめさせていただきたいと思います。

 

まず、「改葬」には、相応の“労力・時間・費用”が必要になることを、ご承知おきください。

 

【前提として】

① 移転先の墓地が、取得済みであること。

② 寺院の境内墓地の多くは、使用条件が檀家登録であること。

 

【改葬の順序】

① 移転先の墓地管理者(または住職)に、改葬の承諾を得る。

② 現在の墓地管理者(または住職)に、改葬の承諾を得る。

③ 現在の墓地がある市区町村役所にて、「改葬許可証」の申請をする。

④ 墓地の移転をする。

⑤ 納骨の日時を決め、移転先の墓地管理者(または住職)に改葬許可証を提出する。

⑥ 納骨する。

 

※②について

離檀し改葬と共に別寺院に入檀する場合、移転先の寺院へ戒名の転載が必要になるため、移転元の住職に申し送り事項を書いてもらいます。

離檀に伴い、離檀料が規定されている寺院もあるでしょう。

別宗派寺院への入檀は、戒名・仏壇・墓石 etc. 中々ハードルが髙くなります。。。

 

※③について

「いつ・何歳で亡くなった・誰の遺骨を・いつ・どこから・どこへ・誰が」移転するか、といった内容です。

この際、①の「承諾書」の提出を求められる場合があります。

現在の墓地管理者(住職)の、「署名捺印」が必要な場合があります。

条件がそろえば、改葬許可証は即日発行されます。

 

※④について

墓地は、売買ではなく使用権を得る(永代使用料の納付)ものです。

現在の墓地は、自費負担で更地にします。

現地の石材店に依頼 or 現在の墓地管理者または住職に紹介してもらいましょう。

遺骨と同時に墓石も移転するのか、破棄して石材店に処分を依頼するか決めます。

土葬で遺骨が土に還っていた場合は、その場所の土を骨壷に入れて遺骨の代わりとします。

遺骨を扱うため、菩提寺の住職に読経の依頼をします。

併せて、墓石に対する抜魂(魂抜き)の読経も依頼します。

読経の折には、お布施(この際、②の謝礼を一括して)を用意します。(3~10万円程度でしょうか。。。)

 

※⑥について

遺骨を扱うため、菩提寺の住職に読経の依頼をします。

併せて、墓石に対する入魂(魂入)の読経も依頼します。

読経の折には、お布施を用意します。

 

・・・という訳で、雑駁乍ら書かせていただきました。

お悩みの方の一助となれば、幸いです。

 

「改葬」は、各市区町村条例によって、基準に多少の違いがあります。

いずれにしても、まずはお気軽に菩提寺のご住職に、相談してしましょう。。。

有難さ

我が家の、気圧計。

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先日の、台風上陸直前の値ですが・・・

針が振り切るほどの、“低気圧”。

 

もう・・・だるくて、だるくて。

妻も眠そうにしてるし、息子も機嫌がすこぶる悪い。

 

・・・調べるに、低気圧の時って、体が“膨張”するんだとか。

大気から全身が抑えつけられている状態が、低下する訳ですからね。

 

つまり、血管やリンパの流れが生む圧力(勢い)も、低下するため・・・

血流・リンパ循環不良を起こし、体調不良となる、と。

 

悲しいかな、自分に直接、影響があった時くらいのものなのでしょうか。

人間が自然の一部として生かされていることに、改めて気付かされるのは。

 

さて。

 

昨日は、匝瑳市「朗生寺」さまへ。

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日蓮宗千葉県東部修法師会、主催による・・・

「放生会(ほうじょうえ)」に、出仕して参りました。

 

・・・お釈迦さまの前世、「流水長者(るすいちょうじゃ)」という方が、いらっしゃった。

「流水長者」が、(池の水が干上がり)死にかけた無数の魚たちを、助けたところ・・・

魚たちは、天界(忉利天)に生まれ変わり、報恩感謝の功徳をもたらした、と。

 

これによって、漁民が雑魚を捨てている様子を見て憐れみ・・・

自身の持ち物を売っては魚を買い取り、池に放したのが、天台宗の開祖である「智顗」と言われています。

 

「放生会」とは、(仏教における)殺生を戒め、懺悔する法要のこと。

生物(魚など)を野に放つことで、命を尊び、感謝する訳です。

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・・・今回、(諸般の事情から)うなぎの入手先を、新たに探さざるを得ませんでした。

 

ある会員が、近隣のうなぎ料理店に“飛び込み”で依頼をしたそうで。

「生きたうなぎ、譲ってくれませんか??」と。

 

始めは、怪訝な顔をされたそうですが・・・

趣旨を説明すると、「そういうことなら、ぜひ協力させてください」と。

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また当日、鮮魚店を営む檀信徒さんからの、ご奉納もあり・・・

多くの命を、放生することが出来ました。

 

私たちは、“両親・ご先祖さま”の命を通じて、この世に生まれ・・・

多くの命(食料など)を受け継ぎ、今日を生きています。

 

しかしながら、「命の大切さ」というものを想いながらも・・・

食べ物を廃棄したり、自身の命すら粗末にする者も存在する、という現実がある訳です。

 

・・・「有難さ」なんて、普段は分からないですよ。

有ることが難しい、と書くくらいですから。

 

でも、身の周りにアクションがあれば、それを感じることが出来るならば・・・

そのアクションを起こすのが、我々(僧侶)の役目のひとつなのかもしれません。