有難さ
我が家の、気圧計。
先日の、台風上陸直前の値ですが・・・
針が振り切るほどの、“低気圧”。
もう・・・だるくて、だるくて。
妻も眠そうにしてるし、息子も機嫌がすこぶる悪い。
・・・調べるに、低気圧の時って、体が“膨張”するんだとか。
大気から全身が抑えつけられている状態が、低下する訳ですからね。
つまり、血管やリンパの流れが生む圧力(勢い)も、低下するため・・・
血流・リンパ循環不良を起こし、体調不良となる、と。
悲しいかな、自分に直接、影響があった時くらいのものなのでしょうか。
人間が自然の一部として生かされていることに、改めて気付かされるのは。
さて。
昨日は、匝瑳市「朗生寺」さまへ。
日蓮宗千葉県東部修法師会、主催による・・・
「放生会(ほうじょうえ)」に、出仕して参りました。
・・・お釈迦さまの前世、「流水長者(るすいちょうじゃ)」という方が、いらっしゃった。
「流水長者」が、(池の水が干上がり)死にかけた無数の魚たちを、助けたところ・・・
魚たちは、天界(忉利天)に生まれ変わり、報恩感謝の功徳をもたらした、と。
これによって、漁民が雑魚を捨てている様子を見て憐れみ・・・
自身の持ち物を売っては魚を買い取り、池に放したのが、天台宗の開祖である「智顗」と言われています。
「放生会」とは、(仏教における)殺生を戒め、懺悔する法要のこと。
生物(魚など)を野に放つことで、命を尊び、感謝する訳です。
・・・今回、(諸般の事情から)うなぎの入手先を、新たに探さざるを得ませんでした。
ある会員が、近隣のうなぎ料理店に“飛び込み”で依頼をしたそうで。
「生きたうなぎ、譲ってくれませんか??」と。
始めは、怪訝な顔をされたそうですが・・・
趣旨を説明すると、「そういうことなら、ぜひ協力させてください」と。
また当日、鮮魚店を営む檀信徒さんからの、ご奉納もあり・・・
多くの命を、放生することが出来ました。
私たちは、“両親・ご先祖さま”の命を通じて、この世に生まれ・・・
多くの命(食料など)を受け継ぎ、今日を生きています。
しかしながら、「命の大切さ」というものを想いながらも・・・
食べ物を廃棄したり、自身の命すら粗末にする者も存在する、という現実がある訳です。
・・・「有難さ」なんて、普段は分からないですよ。
有ることが難しい、と書くくらいですから。
でも、身の周りにアクションがあれば、それを感じることが出来るならば・・・
そのアクションを起こすのが、我々(僧侶)の役目のひとつなのかもしれません。