初物

2月1日、今年初の「題目講」をお勤めさせていただきました。

 

先日のお仏壇経の合間でしたから…というのは、言い訳にしかなりませんが・・・

法話のネタが、今ひとつ思い浮かばず。

初級仏事講座「水引と上書きの種類」と題し、(今回は)法話改め講義を。

 

これが、かつてなく「食いつき&評判」が良く・・・

何とも、複雑な思いをさせていただきました。

 

さて。

 

先日、「息子さんに、見せなよ!」と一枝、頂戴したのがこちら。

玄関先に飾り付けられていたのは、背丈ほどの木の枝に、紅白餅。

(初めて、拝見させていただきました。。。)

 

「成木餅(なりきもち)」というそうで・・・

1月14日にお餅をついて、これを飾る習わしなんだとか。

 

(主に)五穀豊穣を願い、作られるのだそうで・・・

伺うに(農家では)昔は多くのお宅で、飾られていたと。

 

お餅というと、年末につくイメージでしたが・・・

年明けに初めてつく、いわゆる縁起物なのでしょう。

先日(2月6日)は、匝瑳市「長福寺」さまへ。

 

この日は、「初甲子(はつきのえね)」の日、ということで・・・

「大黒祭」に、出仕させていただきました。

 

甲子の日は、大黒天のご縁日。

↓画像は、檀信徒の皆さんが、ご自宅にお祀りしている大黒さま。

 

ご住職の手により沐浴され、ご祈祷させていただきました。

・・・そして本日(2月12日)は、「初午(はつうま)」の日。

 

初午は、お稲荷さんのご縁日。

師匠のお寺「浄国寺」にて、「稲荷大明神大祭」が厳修されました。

 

こちらは、本山日本寺(多古町)より分祀・・・

「豊田岡田(夫婦)稲荷大明神」が、境内参道にお祀りされています。

そもそもですが、縁日とは「神仏との縁(ゆかり)がある日」のこと。

この日にお参りをすれば、いつも以上のご利益をいただけるとされます。

 

一年ぶりに付け替えられた、お稲荷さんの「奉納旗」は、とても鮮やか。

昨年より、たくさんのご奉納を賜ることが出来ました。

・・・題目講、成木餅、初甲子、初午と、「初物」を揃えてみました。

 

初物といえば、有名なのは江戸時代の「初鰹(はつがつお)」。

現在の貨幣価値に換算すれば、1本「8~30万円」ほどで取引されたとか。

 

「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」とは、あまりに有名な俳句ですが・・・

その名句をからかった川柳も、人気だったのだのだそうで。

 

「目と耳は タダだが口は 銭がいり」

 

うーん、適正価格も大事ですが・・・

個人的には、初物くらいは活気良くいきたいものです。

 

スタートダッシュの勢いのみで、ゴールまで駆け抜ける私を・・・

今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

・・・がんばれ、すしざ〇まい!

新たな一歩

2月に入って初めての“午の日”のことを、「初午(はつうま)」と言います。

 

平成28年の初午は、昨日(2月6日)でしたが・・・

初午は、お稲荷さん(稲荷大明神)の“ご縁日”。

 

縁日とは、神仏と縁(ゆかり)のある日のことで・・・

この日にお参りすれば、“普段以上のご利益”をいただける、と。

 

奈良時代の初午に、(稲荷社の本社である)京都の伏見稲荷大社にて・・・

“稲荷大明神”が鎮座されたことから、という故事に由来されます。

 

この日、師匠のお寺「浄国寺」では、先般の予告通り・・・

「豊田岡田稲荷大明神大祭」が、厳修されました。

 

前日までに、境内も・・・

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皆さまからの“奉納旗”によって、荘厳され。

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また、寒空の下・・・

約60名の檀信徒の皆さまの、お参りをいただき。

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無事この大祭を厳修できましたこと、厚く御礼申し上げます。

 

さて。

 

この大祭が、一度は“廃れた”行事であり・・・

この日を以て“復活”に至った経緯も、先達て書かせていただきました。

 

終わってしまえば、何てことはありませんが・・・

やはり通常の考え方で言えば、復活に至るまでの道のりは、険しいですね。

 

廃れるには、廃れるだけの“原因”がある訳ですし・・・

同じ失敗は、繰り返さない方が良いに決まっています。

 

「新たな一歩」を踏み出すのは、素晴らしいことだとは分かっていても・・・

そのままでいたい、という心を隠し切れないのは、誰もが同じではないでしょうか。

 

“65才”からレストラン(ケンタッキーフライドチキンの前身)を始めた、彼しかり。

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“55才”から日本地図の測量を開始した、彼しかり。

(伊能忠敬は、地元(千葉県香取市)の偉人です。。。)

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「何かを始めるのに、遅すぎることはない」なんて、使い古しの言葉はどうでも良いんです。

 

新しいことを始める事は良いことか、と尋ねられれば・・・

100%、そうとは言い切れませんし。

 

ただ、個人的には「新たな一歩」が、大好きなんですよね。。。

 

(12月31日の)大晦日を経て、(1月1日)の正月を迎える。

節分で今年が終わり、立春から今年が始まる。

春節(旧暦正月)より、今年の始まり。

 

「どれが正しいの?」ではなく、どれも正しいんです。

今年に入って、世の中は既にこれだけの“きっかけ”を、与えてくれています。

 

冷たい言い方にはなりますが・・・

あなたがあなたなりの方法で、踏み出す時を決めるしかないのです。

 

【追伸】

春節(今年は明日、2月8日)より、宗勝寺では・・・

年頭のお経廻りに、お伺いさせていただいております。

 

該当の檀信徒の皆さま、よろしくお願いいたします。。。

初午

昨日(3月31日)は、「初午(はつうま)」の日でした。

(平成27年の旧暦初午のことです。。。)

 

宗勝寺がある、千葉県香取市(佐原地区)は・・・

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画像のように、(利根川系)水運を利用して栄えた、商業の町。

 

古くからある町内で、それぞれに“お稲荷さん”を勧請したのは・・・

その時代の、“商人”を中心としてのことだったのかもしれません。

 

生まれた時から、この地に住んでいたとしても・・・

「お稲荷さん?どこに??」

・・・と仰る方も、いらっしゃるかもしれません。

 

年に一度、「(稲荷大明神のご縁日)初午」の日だけは・・・

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いたるところに、このような(5M程でしょうか)“のぼり”が立てられます。

 

私は毎年、「南横宿区」さまのご依頼で、“ご祈祷”させていただいておりますが。

やはり、こちらも・・・

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人がすれ違うことができないような、路地を抜けたところに。

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こちらの「笹+旗」は、参詣者が持ち帰るそうで・・・

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こちらの小さい“お宮”は、各家が次の「初午」まで預かるそうな。

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町内各家が、“ローテーション”でお祀りするシステムですね。

 

一昔前は、路地から人がはみ出るほど、“行列”ができたとか・・・

子どもたちが、一日がかりで「笹+旗」を集めて回ったとか。

(その際、お菓子や甘酒をもらいながら。。。)

 

残念ながら、現在はそのような隆盛は見受けられませんが・・・

それでも、脈々と信仰が伝えられています。

 

さて。

 

こちらは、師匠のお寺「浄国寺」境内(参道脇)の、“お稲荷さん”。

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町内(寺宿区)の有志が、日蓮宗の本山「日本寺(千葉県香取郡多古町)」さまの・・・

“豊田岡田稲荷大明神”を、分祀していただく形で、こちらに勧請。

つまり、(要請により)寺の境内地を貸借した訳です。

 

ところが、時代は流れ。

 

町内の方の口からは・・・

「なんで、ここだけは俺らが掃除しなきゃいけないの??」と。

(もちろん、“所有/管理”は、町内の方々になる訳ですが。。。)

 

話し合いの末、境内地が・・・

(上物をそのままに)寺に返却されたのが、“平成22年”のこと。

 

管理する権利を譲渡され、お宮の扉を開いた時・・・

その中身は、“空っぽ”でした。

(どのような経緯があったかは、知る由もありませんが。。。)

 

そして、この度・・・

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無事に、“改修”が完工。

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コンパクトになった祠は、実はまだ“空っぽ”のままですが・・・

ここ数か月のうちに、まず“再勧請”を。

 

来年の「初午」には、“稲荷大明神大祭”を復活する予定です。