無いのに、有る
“本末制度”というものが、“江戸時代”にありまして。
各宗派の寺院を、「本山→末寺」という上下関係に位置付けることで・・・
幕府が、寺院の“統制支配”をするための制度だと言われております。
昭和16年には、本末制度は“廃止(本末解体)”され・・・
現在は、お寺同士での“上下関係・格付け”というものは無くなりました。
・・・とはいえ、未だに“総本山・大本山・本山”と名乗ることは、正式に認められています。
また現在、“本末制度”から由来される、“法縁(ほうえん)”というものが存在するのです。
“法縁”とは、いわゆる当時の「本山〇〇寺」をリーダーとする、“グループ分け”のこと。
古い業界には、よくある話かもしれません。
“相撲界”で言うところの、「〇〇一門」だとか。
“ヤ〇ザ”で言うところの、「〇〇会系」だとか。
そんな世界と照らし合わせていただけると、分かりやすいかもしれませんね。
“本山”しかり“法縁”しかり・・・
「無いのに、有る」という考え方自体が、実に“日本らしい”とは思いませんか?
昨日は、多古町「日本寺」さまへ。
関東三大檀林のひとつ、“中村檀林”旧跡の本山です。
(檀林(だんりん):お坊さんの学校)
こちらで開催されたのは、「妙心院日奠上人」の御祥月忌法要。
私もお付き合いさせていただいている、千葉県の“奠師(でんし)法縁”主催にて・・・
奠師法縁の“縁祖”に、ご供養させていただいたという訳です。
また、法要後は“研修会”が開催されました。
今回、講師にお招きしたのは、「三升家う勝」師匠。
来年(平成27年3月)に、真打昇進を控えた地元(多古町)出身の“噺家”さん。
千葉文学賞受賞の“小説家”で、現役の“大学生”。
また過去には、“ツアーコンダクター”や“海外赴任”と、様々な経験をされ・・・
私が初めて出会ったのは、地元の葬儀社さんの“司会者”として。
そんな、“経歴”を伺っただけでも、面白い方ですが・・・
いや、面白かったです。
“お寺・僧侶”に求められることや、望むこと。
“落語と日蓮宗(法華)”の関わり etc.
また、“葬祭業界”経験者として、“有識者”として・・・
“噺家”ならではの語り口で、お話しいただきまして。
これからの自分の“方向性”を再認識する意味でも、いくつか気付かされるものがあり・・・
そんな意味でも、非常に“有意義”な研修会でした!