善意の塊
たまには、“プライベート”なことを書こうと思います。
実は私、諸般の事情から、お寺の“離れ”に寝泊まりしています。
元々は、(亡くなった)祖父母の住居でした。
そこには、“小さな庭”がありまして。
草抜きの時しか、誰も立ち入ることのない空間でした。
そこに、“ウッドデッキ”を作ろう、と。
(私の仕事でもある)洗濯物の干し場としても活用したい、と。
早速、お世話になっている工務店(檀家)さんに、お願いし・・・
完成した日にゃ、息子は喜ぶわ・・・
ちゃっかり、“デート”するわで。。。
私も、「やっただけのことは、あったな。。。」と、ホクホクしていたものです。
・・・完成して間もない、ある日のこと。
私が仕事で外出中の、出来事でした。
順を追って、話しますと・・・
近所のおばちゃんは、“(乗用の)おもちゃ”を息子にプレゼントしました。
それは、おばちゃんの孫が小さい頃に、使われていたものでした。
息子は、それをウッドデッキ上で、乗車しました。
そして、そのおもちゃには“クレヨン”が、挟まっていました。
何かの拍子に、クレヨンは車輪に挟まり・・・
走行軌道上に、(約3Mの)線を描きました。
焦った妻は、私が帰宅する前までに、元の状態に戻そうと必死でした。
妻は、様々な手段で汚れを落とそうとしましたが、落とすことは出来ませんでした。
途方に暮れた妻は、父に相談しました。
父は「きっとこれで落ちる」と、溶剤を手渡しました。
それは、クリーナーではなく、“接着剤”でした。
・・・その日、帰宅したのは夜10時頃だったでしょうか。
妻は、まるで身内が亡くなったかのような顔をしていました。
私も、日付が変わるまでこの“シミ”と向き合いましたが、落とすことは出来ませんでした。
翌日腹をくくって、工務店さんに連絡し、“部分張り替え”をお願いしたものの・・・
結果、ものの見事に除去していただいた訳です。
・・・あの、爽快感と言ったら。
プロは、凄いですね。。。
さて。
この事件、一体誰が悪いのでしょうか??
① おもちゃをプレゼントした、おばちゃん。
② おもちゃで遊んだ、息子。
③ 溶剤を渡した、父。
④ 消そうとした、妻。
・・・そこには、善意しかありませんでした。
例えば、おばちゃんが、「隣のガキに、おもちゃなんかやるか」と。
息子が、「中古のおもちゃなんか、いらねぇよ」と。
父が、妻を助けようともせず・・・
妻が、汚れを放置。
そんな、“悪意”の中でなら・・・
こんな事件は、起きていなかったでしょう。
「善意の塊」も、時には惨事にすら成り得るのですね。
でも、誰にも悪意が無かったからこそ、丸く収まったのかもしれません。
結果論ですが。。。