賽銭
同じ物事を行うにしても、何も考えずに漠然とした“慣習”だけで、それを行うのか。
それとも、“理解”を深めた上で行うのか。
あなたは、どちらを選びますか?
・・・もうすぐ、今年も終わってしまいますね。
新しい年を迎えれば、多くの皆さまが、“初詣”にお出かけになることでしょう。
「あ、初詣の“作法”について書くんだろ。。。」
・・・と思った方は、残念でした。
今回は、「お賽銭(さいせん)」の話です。
ある調査によれば、「賽銭(初詣)」の全国平均額は、“414円”だそうな。
これを、多いと見るか、少ないと見るか。
「どうしても叶えたいお願いがあるから、お賽銭を“奮発”して。。。」
「ご縁がありますように、“5円”を。。。」
「“15円”で、十分ご縁が。。。」
・・・はい、どれも“間違い”です。
お賽銭の「賽」という字には、「むくいまつる」という意味があります。
つまり、神仏から福を受けたことに対し、感謝してお祭りすること。
また、「お礼参り」という意味もあります。
ですから、「賽銭」は「願いを叶えてもらうため」のものではなく・・・
「願いが叶った(叶う過程に至った)事に対する、“お礼”」なのです。
まず、これだけは理解していただきたいのですが・・・
「お願い/お礼」
・・・これは、“セット”です。
「お賽銭=お礼」によって、今までの願い事を“チャラ(?)”にしてから・・・
次の“お願い”をする、という順序が大切な訳です。
別の言い方をすれば。
頼んだことに“お礼”も言わず、重ねて次の“お願い”をするようなヤツは・・・
絶対に、願い事なんか叶いません。
さて。
上記画像は、宗勝寺の“賽銭箱”です。
いや、厳密に言えば“賽銭箱”ではありません。
「奉納」と書いてあるのが、お分かりでしょうか。
「浄財」と書いてあるものがあれば、同じ意味です。
ここに入れるのは、「賽銭」ではなく「布施(ふせ)」です。
「布施」とは、財物などを施すことで功徳を積むという、仏教における“修行”のこと。
また、“お金”というものは、良くも悪くも・・・
「人それぞれの“感情”が入りやすい」と、言われています。
自分の“境遇”が、「良くない」と感じる方は・・・
(ある意味)“厄払い”のつもりで、入れるのも良いでしょう。
それに乗せられた“(いわゆる)厄”は、当然その“お寺”に行く訳ですが・・・
ご存知の通り、お寺では毎日の“勤行(読経)”が、行われます。
つまり、それで“浄化”されるということ。
「浄財」の“浄”という字には、そんな意味もあるのです。
全国の、“賽銭泥棒”さん。
あなたが盗ってるのは、“厄”がたっぷり乗ったお金かもしれませんよ。
・・・・・・つづく