悪事千里を走る

本日(2月28日)で、2月も終わり。

結局、今月は1日の休みも取れなかったなぁ。。。

 

「1月は行く、2月は逃げる」との言葉通りの、2月でした。

やはり「3月は去る」ということに、なってしまうのでしょうか。

 

・・・もはや自分でも、忘れかけていましたが。

 

昨年、修復に出した「曼荼羅(まんだら:日蓮宗のご本尊)」が・・・

無事完成し、手元に帰ってまいりました。

↑上が、修復前で・・・

↓下が、修復後。

こちらが、いつ誰の手によって染筆されたものか・・・

また、現在どこに保管されているかは、開示しかねます。

 

残念ながら、世知辛い世の中になってしまいまして・・・

寺宝を護持するためには、防犯にも気を使わなければならない訳です。

 

うち(宗勝寺)も、防犯会社との契約はしておりますが・・・

都会や観光地の寺社のご苦労は、きっと想像以上。

 

「管理者責任」というものが、どうしても付きまといますから・・・

ひとりの悪事のために、規制の対象が全員に及ぶことは、当然なのでしょう。

 

さて。

 

「悪事千里を走る」とは、よく言ったものですが・・・

そんなのは、アッという間に皆んなの知るところとなってしまうものです。

 

お寺は、皆さんが想像している以上(?)に、ネットワークが豊富。

ある意味、客商売的な要素もありますしね。

 

狭~い業界でもありますので・・・

同業間の横の繋がりというものも、ご多聞に漏れず、といったところ。

 

先日も、年回忌法事でいらっしゃった、ご親族の方。

お話しさせていただくに、「私、〇〇寺の檀家でね、、、」と。

 

「そうでしたか。あちらのご住職にはお世話になって、、、」

「あぁ、ご存知でしたか、、、」

・・・なんて具合に、話が弾み。

 

「いや、ウチの住職が×△※◇でね、、、」

「それで、副住職に♠$♡#って言ったんですよ、、、」

・・・と、もう止まらない訳で。

 

決して、悪口の類ではないのですが、褒めてもいないので・・・

もはや、笑うしかない。

 

しかし、皆さんよくよく、分かってらっしゃる。

・・・菩提寺だから、当たり前か。

1日に10分でも草抜きが出来たら、年中キレイなんでしょうが、中々・・・

(花粉症による)鼻水を垂れ流しながら、境内の美化に努めております。

 

まだ寒い日が続くとは言え、季節は着実に進んでいますね。

 

「年度切り替え」も、待ったなし。

やはり、お坊さんの組織でも、組織というものは組織なのです。

 

ちなみに、お坊さんの会議開始は、法務が少ない午後や夕方から。

・・・来月の目標は、心身の「休息」です。

でも、もうお彼岸か。。。

ヒーロー

先日(2月19日)は、香取市九美上第三地区へ。

「清正公大神祇祭礼」にて、ご祈祷仕りました。

こちらには、師匠のお寺「浄国寺」より・・・

昭和20年に、清正公大神祇が分祀される形で勧請。

 

年代からもお分かりの通り、先の第二次大戦の英霊も合祀されており・・・

清正公大神祇への法楽荘厳に併せ、英霊のご供養もお勤めさせていただきました。

 

日蓮宗のご祈祷、と言えば・・・

日蓮宗大荒行堂」を思い出される方も、いらっしゃるかと思いますが。

 

昨日(2月22日)は、東金市「寳藏寺」さまへ。

日頃、お世話になっているお上人が、この度・・・

「傳師(でんし)」として、そのお勤めを終え。

 

任務達成の報告を兼ねた「国祷会(こくとうえ)」に、お招きいただきました。

【国祷会:日本国・世の中の安穏を願う法要のこと】

 

傳師とは、修行僧に荒行堂の秘法を伝授する立場であり・・・

修行僧の訓育、ひいては命を預かる立場とも言えます。

法要に先立ち、同行の聖僧ととも水行にて、心身を清め・・・

御宝前にて任務達成報告、参列の檀信徒にご祈祷が行われました。

 

・・・いやー、格好良く見えましたね。

いや、格好良かったです。

 

さて。

 

先日、甥っ子が3歳の誕生日を迎える、との情報を得・・・

誕生日プレゼントを用意しよう、ということになりまして。

 

妻がリサーチの結果、「エグゼイド」のグッズが欲しいとのことで。

「何のこっちゃ」と思いましたが、仮面ライダーの現代版なんですね。

子どもって「ヒーロー」好きですよね、何たらレンジャーとか。

 

実は私の幼少期は、そういった類のものには興味が無く・・・

ただひたすらに「ZOIDS(ゾイド)」と「ミニ四駆」だったのですが。

先日の会議で、寂しい情報を得ました。

昨年の1年間で、日蓮宗寺院は10か寺減少し、僧侶数は50名減少したと。

 

・・・いわゆる「お坊さんあるある」では、ありますが。

息子が出来ると、「将来、継がせるの??」ってやつ。

 

(私を含め)多くが「強要はしない」と、答えるでしょうが・・・

本心はやはり、と言ったところなのではないでしょうか。

 

どこの業界でも同じかもしれませんが、やはり人材不足は否めません。

実情を知れば知るほど、やりたがらないだろうし、やらせたくないという方も。

 

「将来の夢は?」と聞かれて・・・

職業名を言うような子どもでも、良いでしょうが。

 

私は、「エグゼイド!」って言う子供が、好きですね。

 

・・・やはり、父親は格好良くなくちゃ。

憧れられる、「ヒーロー」でいなければいけません。

初物

2月1日、今年初の「題目講」をお勤めさせていただきました。

 

先日のお仏壇経の合間でしたから…というのは、言い訳にしかなりませんが・・・

法話のネタが、今ひとつ思い浮かばず。

初級仏事講座「水引と上書きの種類」と題し、(今回は)法話改め講義を。

 

これが、かつてなく「食いつき&評判」が良く・・・

何とも、複雑な思いをさせていただきました。

 

さて。

 

先日、「息子さんに、見せなよ!」と一枝、頂戴したのがこちら。

玄関先に飾り付けられていたのは、背丈ほどの木の枝に、紅白餅。

(初めて、拝見させていただきました。。。)

 

「成木餅(なりきもち)」というそうで・・・

1月14日にお餅をついて、これを飾る習わしなんだとか。

 

(主に)五穀豊穣を願い、作られるのだそうで・・・

伺うに(農家では)昔は多くのお宅で、飾られていたと。

 

お餅というと、年末につくイメージでしたが・・・

年明けに初めてつく、いわゆる縁起物なのでしょう。

先日(2月6日)は、匝瑳市「長福寺」さまへ。

 

この日は、「初甲子(はつきのえね)」の日、ということで・・・

「大黒祭」に、出仕させていただきました。

 

甲子の日は、大黒天のご縁日。

↓画像は、檀信徒の皆さんが、ご自宅にお祀りしている大黒さま。

 

ご住職の手により沐浴され、ご祈祷させていただきました。

・・・そして本日(2月12日)は、「初午(はつうま)」の日。

 

初午は、お稲荷さんのご縁日。

師匠のお寺「浄国寺」にて、「稲荷大明神大祭」が厳修されました。

 

こちらは、本山日本寺(多古町)より分祀・・・

「豊田岡田(夫婦)稲荷大明神」が、境内参道にお祀りされています。

そもそもですが、縁日とは「神仏との縁(ゆかり)がある日」のこと。

この日にお参りをすれば、いつも以上のご利益をいただけるとされます。

 

一年ぶりに付け替えられた、お稲荷さんの「奉納旗」は、とても鮮やか。

昨年より、たくさんのご奉納を賜ることが出来ました。

・・・題目講、成木餅、初甲子、初午と、「初物」を揃えてみました。

 

初物といえば、有名なのは江戸時代の「初鰹(はつがつお)」。

現在の貨幣価値に換算すれば、1本「8~30万円」ほどで取引されたとか。

 

「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」とは、あまりに有名な俳句ですが・・・

その名句をからかった川柳も、人気だったのだのだそうで。

 

「目と耳は タダだが口は 銭がいり」

 

うーん、適正価格も大事ですが・・・

個人的には、初物くらいは活気良くいきたいものです。

 

スタートダッシュの勢いのみで、ゴールまで駆け抜ける私を・・・

今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。

・・・がんばれ、すしざ〇まい!

犬猿の仲

前回告知、年頭のお仏壇経も一段落。

・・・したはずなのですが、慌ただしい日々を、過ごさせていただいております。

先日すでに、立春も過ぎ・・・

境内の梅の花も、次々と開花。

 

季節が変わるということは当然、その節目は節分。

2月3日には、多古町「妙光寺」さまの「節分会」に出仕させていただきました。

本年度の、年男・年女の皆さまへ、ご祈祷させていただいた訳ですが・・・

かくいう私も、実は年男(今年、36歳になります)。

境内いっぱいの参詣の皆さまへ、豆をまかせていただきました。

 

さて。

 

先日の、お仏壇経での出来事です。

(檀家さんのお宅へと)町内を歩く私は、後ろから呼び止められました。

 

ある知人男性(70代・非檀家)でした。

言われるがまま、男性の自宅前まで連れられると、そこにはある女性が。

 

実はその女性も、私の知人(80代・非檀家)であり・・・

偶然通りかかった私(共通の知人?)を見て、声を掛けた訳です。

 

以下、要点をまとめます。

 

・男性は日常、自宅の塀に布団を干していた。

・塀は賃貸駐車場と隣接し、女性は駐車場を契約していた。

・男性が、契約駐車場内に立ち入り布団を干すため、女性は不快に思っていた。

・女性がクレーム、男性は承諾し立ち入ることが無いよう、布団を干していた。

 

・・・とのことで、当日。

 

・契約駐車場にはみ出た布団を、女性が勝手に接触。

・接触を目撃した男性が注意し、口論に。

 

・・・ね、小っさい話でしょ??

これを、どっちが正しいか、私にジャッジしろって言うんですから。

 

でもこれ、口論がケンカに発展します。

この罵詈雑言を、ご紹介したいところですが、テレビなら完全に放送禁止レベル。

 

ギリギリ書くことが出来る、範囲としたら・・・

「てめぇ、この糞アマァ、腕ぶっちゃくぞぉ!」といった具合。

(訳:あなた、腕の骨を折りましょうか?)

 

結果、つかみ合いになりかけたところを、私が間に入る形で小休止。

強引に解散していただいた訳ですが、いや、参りました。

 

・・・後から聞けば、お二方はいわゆる「犬猿の仲」。

それにしても、普段は穏やかなお二方でしたので、驚きました。

日蓮宗の多くのお寺では、豆まきの掛け声は「福は内、福は内」と。

 

「鬼は外」と言わない理由は、諸説ありますが・・・

そのひとつに、「鬼は自身の内にある」という説があります。

 

鬼の語源は、「隠(おん)」であるといいます。

今回は、人の内に隠れた鬼を、まじまじと見せつけられた気がします。

 

失礼を承知で言いますが、ケンカ中のお二方の眼は・・・

もはや、人のものではなかった。

 

鬼は、本当にいるんだ。