ベタ
先般(5月7日)、銚子市「妙福寺」さまにて・・・
「千部会(せんぶえ)」が厳修され、出仕させていただきました。
午前・午後と、計3座の法要に加え・・・
北辰妙見大菩薩の御神輿(おみこし)が、渡御されます。
境内の藤は「臥竜の藤」と呼ばれ、樹齢750年ほどだそう。
花房も見ごろ、多くの方で賑わっていました。
やはり、これだけのものですと(同業としては)管理が気になるところ。
ご住職に伺うに、やはり樹木医の協力を仰ぐそうで。
以前、幹の治療しかしていなかった時代は・・・
状態も芳しくなく、根腐れも引き起こしていたとか。
現在は、根っこを中心とし、土壌改良にも精を出し・・・
昨年は、最長190cm以上の花房をつけることが出来たんだそうです。
さて。
いきなりですが・・・
私たち人間を、一本の樹木に例えます。
幹は、太く高い方が良いでしょうし・・・
枝葉は、生い茂るように、成長していきたいものです。
そのためには、根っこを大事にしなければいけない。
根っこが水や養分を吸収することで、幹や枝葉が育つ訳です。
また、根っこがしっかりしていれば・・・
樹木というものは、嵐でさえも倒れずにいられます。
自分という存在を、幹とするならば・・・
枝葉は、子孫と言えます。
目の届かない所で、私たちを支えてくれている存在。
つまり、根っこは・・・ご先祖さまのこと。
ご先祖さまへの供養を、「回向(えこう)」と言います。
これは、私たち(幹・枝葉)が、根っこ(ご先祖さま)に・・・
水や養分(供養)を、差し上げること。
その栄養分は、(回り向かって)自分達のところへ。
私たちは、根っこから命をいただき生かされている、ということですね。
誰もが、父母から生まれ・・・
父母にもそれぞれに、父母が存在します。
自分から、10代遡れば(単純計算で)1024人のご先祖さまがいて・・・
そのひとりが欠けても、自分という存在は有り得ない訳です。
ご縁というものを、大切にし・・・
ご先祖さまには、無条件に感謝しなければいけませんね。
・・・この話、実は「ベタ」なものでして。
いや、法話としたら・・・ベタ中のベタ。
しかしながら、心に残る話。
私も困った時は、この話。
ベタにはベタになっただけの、理由があると感じます。
経験上、最初から「隠れ家的な」を求めると、失敗するような。。。
初めての観光地なんか、ベタなところで良いんです。
結局、ベタなデートが楽しかったりしますしね。
ベタ、侮ることなかれ。