帳尻
今月(11月1日)の題目講・・・の、確か数日前。
台風が、来まして。
被害という被害ではないのですが、時季も相まって・・・
境内は(落ち葉・折れた枝や竹で)それなりに、しっちゃかめっちゃかに。
・・・という訳で、焼き芋です。
「焼き芋の作り方」を、webで調べますと、多々出てきますが・・・
炭火・土鍋・レンジ etc.が、主なもので。
環境に左右されるため、現代の日本では非常に難しいのでしょうが・・・
落ち葉100%でつくる焼き芋の味は、まさに至高そのものなんだとか。
・・・まず重要なのが、熾火(おきび)をつくること。
炎が収まった後の、灰がブスブスいってる状態ですね。
イモを、濡らした日蓮宗新聞+アルミホイルで包み・・・
熾火に投入後、上から大量の落ち葉を被せ、蒸し焼きにします。
そして、2時間後・・・
こんなにクオリティの高い焼き芋は、見たことがありません。
今回は、地元(千葉県香取市)産の、シルクスイートという品種で。
スイーツなどに用いられるそうで、しっとりとして、尋常ではない糖度。
題目講に参加の皆さんで、ワイワイと食べたかったのですが・・・
皆さん、無言のマジ食い。
まぁ、それはそれで、作った甲斐があるというもの。
台風に対するネガティブなイメージも、吹き飛んでしまいました。
終わり良ければ全て良し、ですね。。。
さて。
人様から、後ろ指をさされるようなことはあっても・・・
決して褒められるような人物ではなかった、Aさん。
Aさんが急逝された際、Aさんの奥さまが仰いました。
「このネックレスを、身に着けても良いですか??」と。
葬儀には似つかわしくない、煌びやかなものでしたが・・・
Aさんからのプレゼントとのことで、目立たぬよう着けていただくことに。
家庭を顧みないAさんの誘いで、晩年になって、初めての夫婦旅行に。
その際、最初で最後のプレゼントをしたのでした。
奥さまが、仰る訳です。
「あんな人だったけれど、本当は優しい人だった」と。
・・・時を経て、奥さまが逝去され、喪主となった息子さんが仰いました。
「これを、骨壺に入れても良いですか??」と。
あの、ネックレスでした。
仏さまは、人の一生に「帳尻」を合わせてくれる、なんて話があります。
Aさんの場合も、そうなのかもしれません。
死してなお、悪口を言われるほど、悲しいことはありませんから。
・・・逆手にとって、長生きするというのも、面白いかもしれませんよ。
クソジジイ・クソババアと、罵られながら。。。