最近のこと

昨日のつづき・・・のようなものです。

「最近のこと」シリーズと、いう訳で。

 

これまた、師匠のお寺「浄国寺」のことになりますが。

去る11月29日、師匠が所属する“バンド”による・・・

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第8回「Live in 浄国寺」が、開催されました。

→こちらから動画もご覧いただけます

 

“師匠と弟子”ではなく、“親子”の立場からいわせていただければ・・・

「この情熱を〇〇に注いだなら、もっと〇〇だったろうに」と。

 

でも、それを言おうもんなら、そっくりそのまま“熨斗”を付けて返されて・・・

・・・男ってのは、そんなもんです(-_-;)

 

この日お越しになったのは、約60名(の、暇人)。

席が足りずに増設したのは、嬉しい誤算でした。

 

“第8回”のライブということは(年イチですから)当然ながら、8年続いているということで。

“おやじバンド”とは名ばかり、全員孫のいる“お爺さんバンド”なんですね。

 

もちろん、私自身には“孫の可愛さ”は解りませんが・・・

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耳を“グイッグイ”やられても、“ニッコニコ”している様子から、相当可愛いのでしょう。

 

・・・この時季に、なりますと。

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境内は一面、イチョウの葉っぱ。

 

これを見て、「綺麗~♪」なんて言うのは、あくまで一般の方で。

我々の業界では、「こりゃ(掃除が)大変だ」と言うのが、正解。

 

でも、そろそろ散り終える時季ですね。

そうなれば、こっちのもん。

寒さ厳しくなれば“生花”も長持ちするし、ありがたい限りです。

 

さて。

 

お寺には、思いもかけないようなご依頼が、舞い込むこともありまして。

それをお受けするか否かは、それぞれ(僧侶)の考え方によっても、異なると思います。

 

私の場合、そのご依頼を受けたことによって・・・

依頼者なり第三者が、不幸になる可能性が無いと判断したなら、お受けします。

 

まぁ、概ねお受けします。

・・・たまに、お受けします。

 

もちろん、依頼されるということ自体、“ご縁”ですし・・・

人と人との“ご縁”が無ければ、そもそも依頼なんかされませんからね。

 

こんな、仰々しい“前置き”をするほどの話でもないのですが、今回のご依頼は・・・

「ハワイ在住のアメリカ人が、“Japanese 掛軸(毛筆)”を欲しがってるから、書いて」

・・・というもの。

 

色々考えたんですが、「やっぱ、俺は坊主だからな。。。」っつーことで・・・

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現在、“表装中”とのこと。

 

「端っこに、赤い“スタンプ”押してあるんだろ」とか、そんな知識はお持ちのアメリカ人だそうで。

一応、書いてあることの“意味”はご説明申し上げましたが・・・

どれだけうまく、“通訳”していただけるのでしょうか(^^;)

 

そんな、「最近のこと」でした。

・・・・・・あと一回、続きます。

団参

「お坊さんって、普段何やってんの?」

・・・なんて質問を、たびたび頂戴します。

 

「何やってるの、って・・・俺、何やってんだろ。。。」

・・・というのが、正直なところですが(-_-;)

 

とりあえず、最近のことを書きます。

 

まず、結構前(11月26日)のことになってしまいましたが・・・

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師匠のお寺「浄国寺」に、「団参(だんさん)」がございました。

「団参」とは、“団体参拝”の略。

 

いわゆる旅行会社“ツアー”の、パンフレットを見ますと・・・

「〇〇寺参拝」なんて、書いてある企画がありますよね。

 

実態って、そのお寺にとりあえず行くだけですよね。

まぁ、良くて本堂前で(個人的に)賽銭でも投げて、手ぇ合わすくらい。

 

「それで良い」って人も、いるんでしょうが・・・
(どうしても行きたくて、行ってる人ばかりじゃないでしょうから)

私から言わせたら、「もったいない」の一言。

 

(お寺に申し込んで)神仏にお目にかかり、読経の中で合掌・焼香させていただくことで・・・

・・・と説明するより、やはり“体感”していただいた方が、話が早い。

 

お寺の“縁起(歴史)や法話・諸堂案内”をしてくれる場合も多々ございますので。

本当の意味での“参拝”をしていただくのが、おススメです。

 

しかしながら、“初心者”には敷居が高いと感じるかもしれません。

何しろ、勝手が分かりませんからね。

 

そんな方は、お寺が企画するような「団参」に申し込むのが、手っ取り早いですよ。

ちなみに、うち(宗勝寺)の場合、隔年で「団参」の計画をしています。

 

今回いらっしゃったのは、「多摩青桐法華和讃の会」ご一行さま。

都内のお寺が主体となって、結成された会だそうで。

 

参拝後は、「佐原の古い町並み探索(観光)」に、お出かけになるのが“通例”。

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「浄国寺」は、一般寺院。

(本山のような)“歴史・文化財・見どころ”が何もない訳です。

 

それでも時折、こうした「団参」にお越しいただくことは、有り難く、また恐縮でもあります。

地元に、助けられているのかもしれませんね。

 

「うちで一番古いのが“山門”でございまして。次に古いのが、うちの“女房”です。。。」

・・・という、住職の鉄板ネタも、“通例”となっております(-_-;)

 

あ、「団参」だけで、書き切ってしまいました。

書きたいことはありますが、中々書く時間が取れません。

 

・・・また、近いうちに。

南無

・・・・・・昨日のつづきです。

 

「日蓮宗っちゅーと、ナムミョーホーレンゲキョーだべ?」

「うちは、ナムアミダブツだから」

・・・なんて会話が、日本仏教の“宗派”というものを、良く表していると思います。

 

この会話の“ポイント”は、「ナム = 南無」という共通項にあります。

これは、(インドの古い言葉)サンスクリット語の「ナマス(namas)・ナーモ(namo)の“音写”。

 

“音写(おんしゃ)”とは、翻訳に際しその発音自体に文字を当てはめたもの。

ですから、“南 / 無”という文字自体に、意味はございません。

 

「南無」とは、「(命がけで)信じます・敬います」という意味。

それぞれの“宗派”が、何を大切に考えているかが・・・

「南無」以下の言葉で、一目瞭然となる訳です。

 

ですから、「南無阿弥陀仏」と言えば、「“阿弥陀仏”という仏さまを、信じ敬います」と。

我が日蓮宗は、“妙法蓮華経”の教えを、「南無」している訳です。

 

“妙法蓮華経”というお経は、「仏さまの真実かつ最高の教えだ」ということで・・・

「諸経の王」と呼ばれ、また“世界シェアNo.1”のお経でもあります。

 

“妙法蓮華経”の一字一句には、お釈迦さまの悟りの功徳が具わっており・・・

「南無妙法蓮華経」とお唱えすれば、自然にその功徳をいただける、と考えられています。

 

・・・私たちは普段、都合の良いことばかり、行います。

ある時は右へ、また左へ。

崇めたり、けなしたり、無視したり。

 

そんなことで、自分自身の“着地点”は、定まるのでしょうか?

また、これを読んで、初めて「南無」という言葉の意味を知った方が・・・

そういったことを考える、良い“きっかけ”となれば、と思います。

 

先日(11月23日)は、匝瑳市「常福寺」さまにて・・・

御会式(おえしき)”に、出仕させていただきました。

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これをもって、今年の“御会式”出仕も、一段落(^^;)

 

・・・終了後、珍しいものを拝見させていただきました。

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この“曼荼羅(まんだら)”、「南無」の文字が・・・

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・・・何だと思います?

 

実はこれ、“カタツムリ”を模しているんだそうです。

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(カタツムリのように)ゆっくりと、地道に“修行”すれば・・・

確かな“功徳”を積むことができる、という意味なんだそうな。

きっかけ

先日(11月19日)、日テレ「ザ!世界仰天ニュース」にて・・・

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八千代市「長妙寺」さまの年中行事、「痔の呪い(まじない)」が、特集されました。

 

私もこれに、出仕させていただきましたため・・・

密かに“ドキドキ”しながら、テレビを見ておりました。

 

すると、右端に“チラッ”と・・・

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どアップ!・・・なのは、手だけでした(-_-;)

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また、遠くに映りこんでみたり・・・

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ご祈祷シーンは、“ワイプ”がカブって(^^;)

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丸々一日がかりで“ロケ”してましたが、当日の放送は僅か10分間。
(スタッフの方は、大変ですね。。。)

やはり、バラエティ番組特有の“編集”が、気にはなりましたが。

 

さて。

 

お坊さんの仕事は、“布教”である。

・・・と、以前述べさせていただいた訳ですが。

 

“布教”と聞いて、皆さまはどう感じられますか?

中には、“嫌悪感”を抱く方や、“押しつけがましい・怖い”と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

 

“布教”という言葉を辞書で調べると・・・

「ある宗教を一般に広めること」と、あります。

 

あくまで、それは“公開”して行うべきうことで・・・

“一対一”や“複数対一”で行うことは、してはいけない。

 

そういうことをする人間が、存在するからこそ・・・

“布教”は、押しつけがましく、怖く、嫌なものになってしまうのです。

 

また、「布教=教えを説くこと」だけでなく。

見せたり体感させることで、その方が本質である何かを感じてくれれば・・・

それこそまさに、“布教”なのです。

 

・・・お経の中に、「難解難入(なんげなんにゅう)」という言葉が、ございます。

仏さまの教え(智慧)は、入ることも信じることも難しい、と。

 

皆んなが同じ“ゴール”に向かっているはずなのに、“コース”が違う。

そもそも、その“コース”の“スタート地点”に立たせるだけでも、大変で。

 

だからこそ、まずは来てもらってナンボ、見てもらってナンボ。

そのため、近年お寺は、皆さまに色々な角度から“アプローチ”をします。

 

でも、アプローチで終わっちゃうヤツとか、勘違いしちゃうヤツも、出てきたりして。

「こういうことこそが、お寺に求められてることですよ」とか。

「お寺が行う“公益事業”ってのは、こういうことですよ」とか。

 

“本末転倒”とまでは、言いませんが・・・

「そうじゃ無ぇだろ」とか、「もったいねぇな」と、思う訳です。

 

・・・総じて、“テレビ・web・広告”なんてのは。

見たいヤツだけ見れば良いものですし、「きっかけ」としては、最高かもしれません。

 

ただ、そこにすべての“本質”が表れてる訳じゃないし、皆んなそれを分かってる。

視聴者も、それほどバカじゃありませんから。

 

お坊さんの仕事は“布教”だ、なんて言って・・・

我々の業界は、とにかく“広告・宣伝”が、下手くそ。

 

・・・あー、頑張ろ(-_-;)

面会

昨日は、多古町「能満寺」さまにて・・・

御会式(おえしき)”に、出仕させていただきました。

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今般、ご住職が“日蓮宗大荒行堂”に、入行中のため・・・

導師をお勤めになられたのは、ご住職の“ご師範”上人。

 

法要終了後は、“茶話会”が開かれるのですが・・・

やはり話題は、“荒行堂”関連のものとなりました。

 

上記リンクにも記してある通り、入行して35日間の“自行”が明けますと・・・
【自行(じぎょう):自分の罪障消滅のための、“水行・読経三昧”の修行】

家族や檀信徒との「面会」が、許されます。

 

檀信徒の中で、有志をつのり・・・

団体での「面会」を、計画なさっていました。

 

思い返せば・・・

入行前、最後の“年中行事”のお手伝いに、お邪魔した際のこと。

 

檀家役員さんがご住職に対し、力強くも・・・

「後の事は任せて、行ってらっしゃい!」

・・・的なことを仰ってたな、と。

 

こんなこと仰っていただければ、安心ですよね。

個人的には、うらやましい限りです。

 

今回、ご住職の入行も、“4回目”。

「きっと、無事に帰ってきてくださる」と、檀信徒の皆さんも・・・

“確信・自信”を持ってこその、発言なのかもしれませんが。

 

・・・それとは、対照的に。

 

本日、あるお上人と、話す機会がございまして。

今般、息子でもあるお弟子さんが、“初めて”の入行をなさっておりまして。

 

いや、心配そうでしたね。

顔では、笑ってましたが。

 

話を伺うに、お寺から入行者が出るのは、“約80年ぶり”とのこと。

こうなってきますと、檀家さんも含め、勝手が分からないものです。

私自身、血族の中では初の入行者でしたので、気持ちはよく分かります。

 

「何かしてやりたいんだけど。。。」とのことでしたので・・・
(実際、何もしてあげることはできませんが)

「それはもう、“面会”してあげるのが一番です」と、お答えしました。

 

あの、僅か“5分間”の「面会」が、唯一の楽しみですからね。

「荒行って、何?」って檀信徒さんも、同席すればすべて理解できます。

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掃いても掃いても、“落ち葉”が舞う季節になりました。

まぁ、実際は“掃く”訳ではなく、“ブロアー”で吹き飛ばしていますが(^^;)

 

帰りを待って、お寺を“護持”することもそうですし・・・

“気持ち”の面でも、言えることですが。

 

待つ者も、これまた“修行”なのです。

ファンクラブ

本日(11月9日)、師匠のお寺「浄国寺」にて・・・

無事に「御会式(おえしき:宗祖日蓮大聖人御報恩会式)」が、厳修されました。

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「御会式」については、先般も触れさせていただきましたが・・・

先般① / 先般②

 

こうした、毎年行われる行事を、“年中行事(ねんちゅうぎょうじ)”といいます。

それぞれのお寺によって、“年中行事”の数(種類)は、様々ですが・・・

こうして、“脈々”と歴史を積み重ねることが、最も大事なことかもしれません。

 

それなりの規模の“イベント”を主催したことのある方は、共感していただけると思いますが・・・

イベントは、「準備(段取り)8割、片付け2割」ってところですよね。

 

「おいおい、当日が無ぇじゃねぇか。。。」って?

当日は、始まっちまえば終わるんです。

そんなもんだ、ってことも共感していただける方、いらっしゃると思います。

 

・・・とにかく、お寺の活動を、広い視野で見れば。

「年中行事→年中行事→年中行事…」と。

「準備→片付け→準備→片付け…」と。

意外かもしれませんが、何かに追われるように、1年また1年を繰り返しております。

 

さて、いきなりですが。

 

お寺に限った話ではありませんが、何か“イベント”がある場合。

“キャパ”が無い“ハコ”借りて、「さぁ、来てください」って・・・

そんなバカげた話、無いでしょう?

 

でもそれを平気でやってしまうのが、お寺だったりするのです。

まぁ、「通例〇〇人くらいしか、来ないからな」っていうのもありますが・・・

それはそれで寂しいもんですし、“企業努力”が足りない気がしてしまいますよね。

 

・・・これを解消すべく、師匠のお寺では、登録制の「ファンクラブ」をつくりました。
(「長妙会」と名付けました)

その「ファンクラブ」の会員になれば、全ての行事にご案内を差し上げる。

「ファンクラブ」には、どなたでも、いつでも、もちろん会員費無料にて登録いただける訳です。

 

ちなみに、すべての行事報告は“寺報(じほう:お寺の新聞)”にて行っており・・・

年中行事には、全檀信徒案内のものもございますが。

 

・・・例えば、の話ですよ。

あるお寺の“年中行事”で、大勢の檀信徒さんがお見えになって。

入り来れないから、“立ち見(?)”までした。

 

ここまでは、まだ良いでしょうが・・・

「じゃ、あなたとあなたは、客間でお食事をどうぞ。」

「他の皆さんは、とっととお帰り下さい。」

・・・っていうのじゃ、胸クソ悪い思いをする方が、いらっしゃいますよね。

 

例が極端ですが、そういう思いをさせたくないがための「ファンクラブ」。

まぁ、“賛否両論”あるでしょうが。

 

他に、“名案”があればご教授くださいm(__)m

中古品

宗勝寺では“毎月1日 午後2時”より、「題目講(だいもくこう)」という行事を行っております。

平たく言えば、ご一緒に“お経・お題目”をお唱えする行事。

 

「お経なんて、読めるかしら?」という、初めての方でも大丈夫。

丁寧にお教えしますし、参加の皆さん、どなたでも読めるようになります。

最後には住職の“法話”もございまして、この日のために、私も勉強させていただいております。

 

この「題目講」、何度か“解散”の危機を迎えたこともありました。

“紆余曲折”ありまして、今に至ります。

 

・・・というか、「最後のひとりになろうとも、続けてやろうじゃねぇか」と。

そう、私が腹を括っている行事でもあるのです。

 

とにかく、(常に)参加者募集中です!

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ちなみに、終了後には“茶話会”あり(^^)

 

そんな、宗勝寺に最低でも“月イチ”通いする皆さんですが。

それでも中々、お気付きにならなかったほど、周囲に溶け込んでいたのは・・・

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・・・こちら。

 

宗勝寺ペット供養墓「追想墓」を望む、景色ですが・・・

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以前の状態(上記画像)と見比べれば、お分かりでしょうか?

 

現在、師匠のお寺「浄国寺」では・・・

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“外塀”の、改修工事中。

 

改修前の外塀の一部分に設置されていた、“目隠しフェンス”。

「廃棄」って言うんで、「くれよ」っつー訳で・・・

実はこのフェンス、「中古品」(しかも、タダ)。

 

ですから・・・

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ちょっと“寸足らず”なのは、ご愛敬(-。-)y-゜゜゜

 

(間近で見れば“粗”が見えますが)“洗浄”してしっかり施工されてますので、上等ですよ。

むしろ、良い感じにヤレてるせいか、周囲に溶け込み過ぎて、中々気付かれないのです。

 

まぁ、「貧乏臭せぇ」と仰る方も、いらっしゃるかもしれません。

しかしながら現実として、資金繰りが“潤沢”なお寺なんて、そう多くありません。

 

・・・私の祖父母が、相次いで亡くなった際。

隠居して2人で住んでいた家は、“空家”になりました。

 

“築10年”にして、当時“4年間”の無人。

外見こそ綺麗そのものでしたが、内部の“荒廃”は想像を超えてましたね。

「え、こんなになっちゃうの?」って感じ。

 

皆さんが、久しぶりの場所にお出かけの際、こう思ったことはありませんか?

「あぁ、ここはいつ来ても変わらないね」と。

 

「変化が無い」状態に保つのって、相当の努力なんですよ。

状況が“好転”してるとしたら、それはもう凄いこと。

 

できることを、できる範囲で。

最低限の投資にて、最大限の成果をあげられるよう、日々邁進いたします。

無いのに、有る

“本末制度”というものが、“江戸時代”にありまして。

 

各宗派の寺院を、「本山→末寺」という上下関係に位置付けることで・・・

幕府が、寺院の“統制支配”をするための制度だと言われております。

 

昭和16年には、本末制度は“廃止(本末解体)”され・・・

現在は、お寺同士での“上下関係・格付け”というものは無くなりました。

 

・・・とはいえ、未だに“総本山・大本山・本山”と名乗ることは、正式に認められています。

また現在、“本末制度”から由来される、“法縁(ほうえん)”というものが存在するのです。

 

“法縁”とは、いわゆる当時の「本山〇〇寺」をリーダーとする、“グループ分け”のこと。

古い業界には、よくある話かもしれません。

 

“相撲界”で言うところの、「〇〇一門」だとか。

“ヤ〇ザ”で言うところの、「〇〇会系」だとか。

そんな世界と照らし合わせていただけると、分かりやすいかもしれませんね。

 

“本山”しかり“法縁”しかり・・・

「無いのに、有る」という考え方自体が、実に“日本らしい”とは思いませんか?

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昨日は、多古町「日本寺」さまへ。

関東三大檀林のひとつ、“中村檀林”旧跡の本山です。
(檀林(だんりん):お坊さんの学校)

 

こちらで開催されたのは、「妙心院日奠上人」の御祥月忌法要。

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私もお付き合いさせていただいている、千葉県の“奠師(でんし)法縁”主催にて・・・

奠師法縁の“縁祖”に、ご供養させていただいたという訳です。

 

また、法要後は“研修会”が開催されました。

今回、講師にお招きしたのは、「三升家う勝」師匠。

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来年(平成27年3月)に、真打昇進を控えた地元(多古町)出身の“噺家”さん。

千葉文学賞受賞の“小説家”で、現役の“大学生”。

 

また過去には、“ツアーコンダクター”や“海外赴任”と、様々な経験をされ・・・

私が初めて出会ったのは、地元の葬儀社さんの“司会者”として。

 

そんな、“経歴”を伺っただけでも、面白い方ですが・・・

いや、面白かったです。

 

“お寺・僧侶”に求められることや、望むこと。

“落語と日蓮宗(法華)”の関わり etc.

 

また、“葬祭業界”経験者として、“有識者”として・・・

“噺家”ならではの語り口で、お話しいただきまして。

 

これからの自分の“方向性”を再認識する意味でも、いくつか気付かされるものがあり・・・

そんな意味でも、非常に“有意義”な研修会でした!

御会式

昨日(10月19日)、銚子市「妙福寺」さまの「御会式」に、出仕させていただきました。

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「御会式」については、先般少しだけ触れさせていただきましたが・・・

日蓮大聖人のご命日(10月13日)に対し、“報恩感謝”の誠を捧げる法要のこと。

 

(“おかいしき”と読んでしまいそうな)「御会式」は、“おえしき”と読みます。

“会”という文字を“かい”と読んだ場合は、「(人が)集まること・集まり」を指しますが・・・

“え”と読んだ場合、「仏教における法要」のことをいいます。

 

言葉自体を直訳すれば、「御会式」が特定の法要を指す訳ではありませんが。

それが、あまりにも盛大に行われ、広く知られることから・・・

「日蓮聖人の報恩感謝の法要」のことをを言うようになった、という訳です。

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「妙福寺」さまは、通称を“妙見さま”と呼ばれ・・・

妙見宮には、“北辰妙見大菩薩”がお祀りされています。

 

午後からは、“妙見さま”の御神輿が市内中を渡御。

出発してから戻ってくるまでの、約3時間は・・・

お堂内で、お経の声を絶やすことはありません。
(“常経:じょうきょう”といいます)

 

夕方、お寺に戻ってくる頃には・・・

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“万灯”を率いて、総勢800名の大行列。


(動画は3年前のものです)

 

そして、夜には「御会式」が行われ・・・

法要終了後には、“懇親会”が開催される訳ですが。

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「何で毎度毎度、これが出るんだろう。。。」

・・・なんて言ったら怒られますが、ようやく謎が判明。

 

住職によれば、こちらの“ゆず味噌豆腐”は・・・

日蓮大聖人の“好物”だったそうで、その故事に由来しているんだそうな。

 

また昔は、日蓮聖人の御影(みえい:肖像のこと)の前で法要する意味で・・・

“御影供(みえいく)”とか、“御命講(おめいこう)”なんて呼び方もあったそうです。

 

かの“松尾芭蕉” が、「御影講や油のやうな酒五升」と読んだように・・・

「御影講・御会式」は、秋の季語。

 

この句からも、大勢の方がお酒をご供養し・・・

盛大に行われた、当時の「御会式」の様子を知ることができますね。

 

日蓮大聖人も、“般若湯(薬として飲まれるお酒)”をお召しになったそうです。

「そっか、“ゆず味噌豆腐”で一杯か。。。」

 

・・・なんて、不謹慎にも妄想しながら。

心地よい疲れの中、泥のように眠りについたのでした。

 

ちなみに私、お酒がほとんど飲めません(-_-;)

一日行堂

あと“2週間”も経つと、市川市の大本山「中山法華経寺」さまでは・・・

今年も、“日蓮宗大荒行堂”が開かれます。

 

その荒行成満者で組織される、“千葉県東部修法師会”主催により・・・

“一日荒行平和祈願祭”、通称「一日行堂」が先日開催されました。

 

一般には見ることができない、修行の姿。

その一日を再現し、檀信徒の皆さまに公開させていただく。

 

また、この行事には、今年初めて荒行堂に“入行”されるお上人も、参加されます。

私もかれこれ8年前、初めてこの行事に参加させていただきました。

 

当時、この僅か一日でも、とにかく・・・

キツくて、キツくて(+_+)

 

そして、実際に入行した時。

その僅か一日とは言え、リアルな日程の経験が、心の支えになる・・・

・・・訳では、一切ありませんが。

 

とにかく、これを経験した者は、口をそろえて・・・

なぜか「ありがたい」と、感謝できるような行事なのです。

 

今回、会場となったのは・・・

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大網白里市の、本山「正法寺」さま。

“小西檀林(こにしだんりん)”の、旧跡です。

 

最盛期には、900名以上の“学僧”を擁した、檀林(お坊さんの学校)で。

「本院七堂・六殿・五棟、塔中四ヵ寺一院、学寮七十三舎」との記述からも・・・

凄まじい規模の学校だったことが、容易に想像できます。

 

明治6年の火災にて、大半が“消失”されたのは残念の極みですが・・・

その広大な寺域は、健在です。

 

夕方5時の「入行会」からは、“読経三昧”。

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午後6時・11時・午前3時・6時・9時・正午12時には、“水行”で心身を清めます。

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その合間にも、“夜勤・朝勤・昼勤”と・・・

ご祈祷本尊の“鬼子母神”さまの御宝前で、お勤めをさせていただきます。

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2日目の午後からは、檀信徒の皆さんがお見えになり・・・

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ご祈祷をさせていただきまして、夕方までにこれを終える訳です。

 

今回は、我が“千葉県東部”からだけでなく。

“千葉県北部・千葉県西部”から、多くのお上人の参加もあり・・・

約30名の僧侶が関わって、この行事が開催されました。

 

今年“千葉県東部”からは・・・

“初行(1回目)・再行(2回目)・三行(3回目)・四行(4回目)・五行(5回目)・参籠(6回目以上)”と、それぞれに入行者がいらっしゃいます。

 

皆さまの、無事のご成満を、ご祈念申し上げます!

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