賽銭

同じ物事を行うにしても、何も考えずに漠然とした“慣習”だけで、それを行うのか。

それとも、“理解”を深めた上で行うのか。

 

あなたは、どちらを選びますか?

 

・・・もうすぐ、今年も終わってしまいますね。

新しい年を迎えれば、多くの皆さまが、“初詣”にお出かけになることでしょう。

 

「あ、初詣の“作法”について書くんだろ。。。」

・・・と思った方は、残念でした。

 

今回は、「お賽銭(さいせん)」の話です。

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ある調査によれば、「賽銭(初詣)」の全国平均額は、“414円”だそうな。

これを、多いと見るか、少ないと見るか。

 

「どうしても叶えたいお願いがあるから、お賽銭を“奮発”して。。。」

「ご縁がありますように、“5円”を。。。」

「“15円”で、十分ご縁が。。。」

・・・はい、どれも“間違い”です。

 

お賽銭の「賽」という字には、「むくいまつる」という意味があります。

つまり、神仏から福を受けたことに対し、感謝してお祭りすること。

また、「お礼参り」という意味もあります。

 

ですから、「賽銭」は「願いを叶えてもらうため」のものではなく・・・

「願いが叶った(叶う過程に至った)事に対する、“お礼”」なのです。

 

まず、これだけは理解していただきたいのですが・・・

「お願い/お礼」

・・・これは、“セット”です。

 

「お賽銭=お礼」によって、今までの願い事を“チャラ(?)”にしてから・・・

次の“お願い”をする、という順序が大切な訳です。

 

別の言い方をすれば。

頼んだことに“お礼”も言わず、重ねて次の“お願い”をするようなヤツは・・・

絶対に、願い事なんか叶いません。

 

さて。

 

上記画像は、宗勝寺の“賽銭箱”です。

いや、厳密に言えば“賽銭箱”ではありません。

 

「奉納」と書いてあるのが、お分かりでしょうか。

「浄財」と書いてあるものがあれば、同じ意味です。

 

ここに入れるのは、「賽銭」ではなく「布施(ふせ)」です。

「布施」とは、財物などを施すことで功徳を積むという、仏教における“修行”のこと。

 

また、“お金”というものは、良くも悪くも・・・

「人それぞれの“感情”が入りやすい」と、言われています。

 

自分の“境遇”が、「良くない」と感じる方は・・・

(ある意味)“厄払い”のつもりで、入れるのも良いでしょう。

 

それに乗せられた“(いわゆる)厄”は、当然その“お寺”に行く訳ですが・・・

ご存知の通り、お寺では毎日の“勤行(読経)”が、行われます。

 

つまり、それで“浄化”されるということ。

「浄財」の“浄”という字には、そんな意味もあるのです。

 

全国の、“賽銭泥棒”さん。

あなたが盗ってるのは、“厄”がたっぷり乗ったお金かもしれませんよ。

 

・・・・・・つづく

折り合い

本日は、“丸一日”お寺にいることができた・・・

貴重な、貴重な、貴重な一日でした。

 

お寺にお嫁に来た女性が感じる、想像と現実の“ギャップ”として・・・

「(住職が)まさか、こんなに家を空けるとは」

・・・というのは、定番中の定番。
(寺から寺へ嫁いだ方を除く)

 

だからこそ、寺にいられる時にしかできないことが、山積みになるもので・・・

そんな、いわゆる“雑務”に追われた一日でもありました。

 

この時季の雑務の、“代表格”と言えば・・・

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そう、“年賀状”作製ですね。

 

・・・元々、年頭には“祝賀”を交換する風習が、古来からありました。

“年賀”として目上の方のお宅を回り、ご挨拶申し上げる。

 

その際、年賀を受ける側も、いらっしゃった方をもてなす訳です。

お酒や肴、お雑煮なんかを用意して。

 

しかしながら、年賀に行くことが叶わない方は・・・

(やむを得ず)年賀の挨拶を、“手紙”にして送る。

これが、現在の習慣で言うところの、“年賀状”ということです。

 

・・・皆さんは、“年賀状”出してますか?

 

近年は、「“メール”で、一斉送信」って方も少なくないでしょうし・・・

中には、「“SNS”に投稿するから、見てね」って方も、いらっしゃるでしょう。

 

まぁ、どこで「折り合い」を付けるか、ですよね。

 

「えっ、その件聞いて無ぇぞ」って、上司が言った時・・・

「あれ、メール打ったんスけど。。。」

・・・って、(いわゆる)今の若いモンは、平気で仰るそうですが。

 

現代の日本からしたら、“デジタル処理”の情報伝達は「アウト」ですからね。

そういった意味からも、私個人としては“時期尚早”かと思ってしまいます。

 

「“テンプレート”そのままじゃ、面白くない」

「“手書き”のコメントが無いと、心が込もっていない」

「“家族写真”は、幸せの押し売りだ」

 

・・・なんて言葉を“web”上で目にして、私が怯(ひる)んだのも、事実。

また、正月早々“センス”を問われているようでプレッシャーなのも、事実。

 

何だかんだ書きましたが、私は頂戴したら、単純にうれしいですけどね。

“年賀状”だけの付き合いって方も、貴重な繋がりだと思います。

 

あ、「これから、書くよ」って方に、ひとつ。

 

“賀詞”にも、色々ありますが・・・

「寿(めでたいですね)」

「賀正(正月を祝います)・迎春(新たな年を迎えました)」

・・・というように、“一文字/二文字”のものは、“同等 or 目下”の者へ。

 

“目上”の方に、対しては。

「謹賀新年(謹んで新年のお祝いを申し上げます)」のように、“四文字”か・・・

「新春のお慶びを申し上げます」

・・・のように、“文章”の賀詞を使いましょう。

唱題行脚

“最近のことシリーズ”、最後を飾りますのは・・・

12月2日に開催されました、歳末助け合い「唱題行脚(しょうだいあんぎゃ)」です。

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“日蓮宗千葉県東部宗務所”主催にて、毎年開催される行事。

 

「唱題行脚」とは、画像のように“うちわ太鼓”を叩きながら・・・42 行脚

お題目「南無妙法蓮華経」をお唱えし、街頭を歩くご修行のこと。

 

この日は、匝瑳市「顕妙寺」さまを、出発。

道中、市内の「円充寺」さまや・・・

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「金蓮寺」さまにお参りしながら、山道を上り下りすること“2時間半”。

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檀信徒の皆さんの参加もあり、総勢100名近い方が、これに参加されました。

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・・・で、「何で、こんなことやってんの?」って話ですが。

 

色々な意味があると思いますが、私が一番思うのは・・・

お題目(南無妙法蓮華経)との“ご縁”を、結んでいただくため」かと。

 

こうして、行列を組んで太鼓を叩いて、となれば・・・

それはもう、“目立つ”訳ですね。

 

それに対し、知識と理解をもって、手を合わせてくださる方もいらっしゃる。

また、「何だろう?」と、不思議そうに見ている方もいらっしゃる。

“見て見ぬ振り”をする方も、いらっしゃる訳です。

 

私たちや、そういった方たち、すべてひっくるめて・・・

お題目との“ご縁”を、結ぶことができた訳です。

 

仮に、私たちの行動を妨害したりした方がいらっしゃったとしても、同じこと。

それだけ、お題目は“尊い”ということなのです。

58 朝勤の様子

・・・嫌な世の中に、なりまして。

 

“朝勤(ちょうごん:毎朝お経をあげること)”に対し、近隣住民から・・・

「うるせぇから、やめろ」と“苦情”がある、なんて話を聞いたことがあります。

 

(数百年も)昔から、同じ場所で同じことしてる訳で。

「(勝手に)近隣に住んできて、何を・・・」と、私は思いますが・・・

「地域の和融を考えて、朝勤開始時間を遅らせた」なんて話も、耳にします。

 

うち(宗勝寺)も、周りはすべて“住宅地”なんですよね。

そのほとんどが、“檀家さん”のお宅ではありませんが・・・

“苦情”が来たことは、一度もございません。

 

ただ。

 

ご近所さんから、「毎日同じ時刻に始まるから、いつも凄いねぇ。。。」

・・・って、私を同じ時刻に起こすのは、“電波時計”な訳で(-_-;)

 

「今朝、お勤め始まるの遅かったべー!会社に遅れそうになっちったよぉ。。。」

・・・って、やっぱり朝勤を“目覚まし時計”代わりにしていたヤツも(-_-;)

 

そんな訳で、現在は・・・

朝勤開始時間を、(敢えて)毎日少しずつ“ずらす”ようにしています。

 

それは、私が“プレッシャー”から逃れるためではなく・・・

人に頼らない、ライフスタイルの推進。

・・・つまり、私の“優しさ”だと、思ってください(-。-)y-゜゜゜

最近のこと

昨日のつづき・・・のようなものです。

「最近のこと」シリーズと、いう訳で。

 

これまた、師匠のお寺「浄国寺」のことになりますが。

去る11月29日、師匠が所属する“バンド”による・・・

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第8回「Live in 浄国寺」が、開催されました。

→こちらから動画もご覧いただけます

 

“師匠と弟子”ではなく、“親子”の立場からいわせていただければ・・・

「この情熱を〇〇に注いだなら、もっと〇〇だったろうに」と。

 

でも、それを言おうもんなら、そっくりそのまま“熨斗”を付けて返されて・・・

・・・男ってのは、そんなもんです(-_-;)

 

この日お越しになったのは、約60名(の、暇人)。

席が足りずに増設したのは、嬉しい誤算でした。

 

“第8回”のライブということは(年イチですから)当然ながら、8年続いているということで。

“おやじバンド”とは名ばかり、全員孫のいる“お爺さんバンド”なんですね。

 

もちろん、私自身には“孫の可愛さ”は解りませんが・・・

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耳を“グイッグイ”やられても、“ニッコニコ”している様子から、相当可愛いのでしょう。

 

・・・この時季に、なりますと。

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境内は一面、イチョウの葉っぱ。

 

これを見て、「綺麗~♪」なんて言うのは、あくまで一般の方で。

我々の業界では、「こりゃ(掃除が)大変だ」と言うのが、正解。

 

でも、そろそろ散り終える時季ですね。

そうなれば、こっちのもん。

寒さ厳しくなれば“生花”も長持ちするし、ありがたい限りです。

 

さて。

 

お寺には、思いもかけないようなご依頼が、舞い込むこともありまして。

それをお受けするか否かは、それぞれ(僧侶)の考え方によっても、異なると思います。

 

私の場合、そのご依頼を受けたことによって・・・

依頼者なり第三者が、不幸になる可能性が無いと判断したなら、お受けします。

 

まぁ、概ねお受けします。

・・・たまに、お受けします。

 

もちろん、依頼されるということ自体、“ご縁”ですし・・・

人と人との“ご縁”が無ければ、そもそも依頼なんかされませんからね。

 

こんな、仰々しい“前置き”をするほどの話でもないのですが、今回のご依頼は・・・

「ハワイ在住のアメリカ人が、“Japanese 掛軸(毛筆)”を欲しがってるから、書いて」

・・・というもの。

 

色々考えたんですが、「やっぱ、俺は坊主だからな。。。」っつーことで・・・

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現在、“表装中”とのこと。

 

「端っこに、赤い“スタンプ”押してあるんだろ」とか、そんな知識はお持ちのアメリカ人だそうで。

一応、書いてあることの“意味”はご説明申し上げましたが・・・

どれだけうまく、“通訳”していただけるのでしょうか(^^;)

 

そんな、「最近のこと」でした。

・・・・・・あと一回、続きます。

きっかけ

先日(11月19日)、日テレ「ザ!世界仰天ニュース」にて・・・

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八千代市「長妙寺」さまの年中行事、「痔の呪い(まじない)」が、特集されました。

 

私もこれに、出仕させていただきましたため・・・

密かに“ドキドキ”しながら、テレビを見ておりました。

 

すると、右端に“チラッ”と・・・

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どアップ!・・・なのは、手だけでした(-_-;)

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また、遠くに映りこんでみたり・・・

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ご祈祷シーンは、“ワイプ”がカブって(^^;)

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丸々一日がかりで“ロケ”してましたが、当日の放送は僅か10分間。
(スタッフの方は、大変ですね。。。)

やはり、バラエティ番組特有の“編集”が、気にはなりましたが。

 

さて。

 

お坊さんの仕事は、“布教”である。

・・・と、以前述べさせていただいた訳ですが。

 

“布教”と聞いて、皆さまはどう感じられますか?

中には、“嫌悪感”を抱く方や、“押しつけがましい・怖い”と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

 

“布教”という言葉を辞書で調べると・・・

「ある宗教を一般に広めること」と、あります。

 

あくまで、それは“公開”して行うべきうことで・・・

“一対一”や“複数対一”で行うことは、してはいけない。

 

そういうことをする人間が、存在するからこそ・・・

“布教”は、押しつけがましく、怖く、嫌なものになってしまうのです。

 

また、「布教=教えを説くこと」だけでなく。

見せたり体感させることで、その方が本質である何かを感じてくれれば・・・

それこそまさに、“布教”なのです。

 

・・・お経の中に、「難解難入(なんげなんにゅう)」という言葉が、ございます。

仏さまの教え(智慧)は、入ることも信じることも難しい、と。

 

皆んなが同じ“ゴール”に向かっているはずなのに、“コース”が違う。

そもそも、その“コース”の“スタート地点”に立たせるだけでも、大変で。

 

だからこそ、まずは来てもらってナンボ、見てもらってナンボ。

そのため、近年お寺は、皆さまに色々な角度から“アプローチ”をします。

 

でも、アプローチで終わっちゃうヤツとか、勘違いしちゃうヤツも、出てきたりして。

「こういうことこそが、お寺に求められてることですよ」とか。

「お寺が行う“公益事業”ってのは、こういうことですよ」とか。

 

“本末転倒”とまでは、言いませんが・・・

「そうじゃ無ぇだろ」とか、「もったいねぇな」と、思う訳です。

 

・・・総じて、“テレビ・web・広告”なんてのは。

見たいヤツだけ見れば良いものですし、「きっかけ」としては、最高かもしれません。

 

ただ、そこにすべての“本質”が表れてる訳じゃないし、皆んなそれを分かってる。

視聴者も、それほどバカじゃありませんから。

 

お坊さんの仕事は“布教”だ、なんて言って・・・

我々の業界は、とにかく“広告・宣伝”が、下手くそ。

 

・・・あー、頑張ろ(-_-;)

師走

法務の合間をぬって、“コツコツ”と・・・

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“寺報”の「宗勝寺瓦版」を、製作中。

 

“寺報”とは、お寺が発行する新聞のようなもの。

こうした“ブログ・ホームページ”も、情報を発信するということでは同じことですが・・・

やはり檀家さんの中には、高齢の方や、webに疎い方もいらっしゃいますので。

 

檀信徒の皆さまに、年に2度発行させていただいている「宗勝寺瓦版」も・・・

今回で、“第14号”を数えます。

 

こうした地道な苦労が、「寺 ⇔ 檀信徒」の距離を縮める・・・

・・・なんて高尚な考えは特になく、私も“楽しみ”として、書かせていただいております。

 

そして現在、宗勝寺には・・・

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続々と届く、段ボール。

これら、すべて来年度(平成27年)用の、“御札”。

来月より、この“染筆”に精を出す訳です。

 

御札の“賞味期限(?)”は、1年間。

檀信徒の皆さまには、正月の行事に併せ、その年のものに差し替えるため・・・

年末に、御札の申込みを取り纏めますので、このような準備に至る訳です。

 

あ、御札は“通年”、承っておりますよ(^^;)

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この「宗勝寺 郵送祈願」も、スタートして約1か月が経ちました。

 

この際、ぶっちゃけますが・・・

始めは、「電話応対(問い合わせ・説明etc.)の簡略化」や、「申込み方法の規格化」とか。

 

つまり、“受け皿”としての企画だったんです。

私の中では。

 

そういう考えなら、ご依頼いただければありがたいし、無きゃ無いでOKの企画。

ところが、それなりの反響に、ありがたい・・・

・・・と言うよりは、色んな意味で驚いております。

 

話を、戻しまして。

 

上記の準備はすべて、“正月”に向けてのもの。

正月の準備って言ったら、“12月”にするっきゃない訳で。

やっぱり、「師走(しわす)」って言うだけありますね。

 

「師走」の語源は、多々ございますが・・・

有力な説に、“師馳せ月(しはせづき)”というものがあります。

つまり、「“師=お坊さん”が、馳せる(走る)月」だ、と。

 

確かに、12月は・・・

「御札の染筆・正月行事準備・大掃除・除夜の鐘・お経廻り(釜締め)etc.」と。

 

しかしながら、うちは“釜締め”の習慣はございませんし・・・

生憎、撞く“鐘”も、無い。

 

そんな訳で、「師走」に行うことと言えば・・・

もっぱら、“準備系”の雑務。

 

これで、「坊主も、ダッシュだ」なんて言ったら・・・

「相当、要領の悪い奴だ」と、言われかねないでしょう(-_-;)

面会

昨日は、多古町「能満寺」さまにて・・・

御会式(おえしき)”に、出仕させていただきました。

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今般、ご住職が“日蓮宗大荒行堂”に、入行中のため・・・

導師をお勤めになられたのは、ご住職の“ご師範”上人。

 

法要終了後は、“茶話会”が開かれるのですが・・・

やはり話題は、“荒行堂”関連のものとなりました。

 

上記リンクにも記してある通り、入行して35日間の“自行”が明けますと・・・
【自行(じぎょう):自分の罪障消滅のための、“水行・読経三昧”の修行】

家族や檀信徒との「面会」が、許されます。

 

檀信徒の中で、有志をつのり・・・

団体での「面会」を、計画なさっていました。

 

思い返せば・・・

入行前、最後の“年中行事”のお手伝いに、お邪魔した際のこと。

 

檀家役員さんがご住職に対し、力強くも・・・

「後の事は任せて、行ってらっしゃい!」

・・・的なことを仰ってたな、と。

 

こんなこと仰っていただければ、安心ですよね。

個人的には、うらやましい限りです。

 

今回、ご住職の入行も、“4回目”。

「きっと、無事に帰ってきてくださる」と、檀信徒の皆さんも・・・

“確信・自信”を持ってこその、発言なのかもしれませんが。

 

・・・それとは、対照的に。

 

本日、あるお上人と、話す機会がございまして。

今般、息子でもあるお弟子さんが、“初めて”の入行をなさっておりまして。

 

いや、心配そうでしたね。

顔では、笑ってましたが。

 

話を伺うに、お寺から入行者が出るのは、“約80年ぶり”とのこと。

こうなってきますと、檀家さんも含め、勝手が分からないものです。

私自身、血族の中では初の入行者でしたので、気持ちはよく分かります。

 

「何かしてやりたいんだけど。。。」とのことでしたので・・・
(実際、何もしてあげることはできませんが)

「それはもう、“面会”してあげるのが一番です」と、お答えしました。

 

あの、僅か“5分間”の「面会」が、唯一の楽しみですからね。

「荒行って、何?」って檀信徒さんも、同席すればすべて理解できます。

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掃いても掃いても、“落ち葉”が舞う季節になりました。

まぁ、実際は“掃く”訳ではなく、“ブロアー”で吹き飛ばしていますが(^^;)

 

帰りを待って、お寺を“護持”することもそうですし・・・

“気持ち”の面でも、言えることですが。

 

待つ者も、これまた“修行”なのです。

ファンクラブ

本日(11月9日)、師匠のお寺「浄国寺」にて・・・

無事に「御会式(おえしき:宗祖日蓮大聖人御報恩会式)」が、厳修されました。

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「御会式」については、先般も触れさせていただきましたが・・・

先般① / 先般②

 

こうした、毎年行われる行事を、“年中行事(ねんちゅうぎょうじ)”といいます。

それぞれのお寺によって、“年中行事”の数(種類)は、様々ですが・・・

こうして、“脈々”と歴史を積み重ねることが、最も大事なことかもしれません。

 

それなりの規模の“イベント”を主催したことのある方は、共感していただけると思いますが・・・

イベントは、「準備(段取り)8割、片付け2割」ってところですよね。

 

「おいおい、当日が無ぇじゃねぇか。。。」って?

当日は、始まっちまえば終わるんです。

そんなもんだ、ってことも共感していただける方、いらっしゃると思います。

 

・・・とにかく、お寺の活動を、広い視野で見れば。

「年中行事→年中行事→年中行事…」と。

「準備→片付け→準備→片付け…」と。

意外かもしれませんが、何かに追われるように、1年また1年を繰り返しております。

 

さて、いきなりですが。

 

お寺に限った話ではありませんが、何か“イベント”がある場合。

“キャパ”が無い“ハコ”借りて、「さぁ、来てください」って・・・

そんなバカげた話、無いでしょう?

 

でもそれを平気でやってしまうのが、お寺だったりするのです。

まぁ、「通例〇〇人くらいしか、来ないからな」っていうのもありますが・・・

それはそれで寂しいもんですし、“企業努力”が足りない気がしてしまいますよね。

 

・・・これを解消すべく、師匠のお寺では、登録制の「ファンクラブ」をつくりました。
(「長妙会」と名付けました)

その「ファンクラブ」の会員になれば、全ての行事にご案内を差し上げる。

「ファンクラブ」には、どなたでも、いつでも、もちろん会員費無料にて登録いただける訳です。

 

ちなみに、すべての行事報告は“寺報(じほう:お寺の新聞)”にて行っており・・・

年中行事には、全檀信徒案内のものもございますが。

 

・・・例えば、の話ですよ。

あるお寺の“年中行事”で、大勢の檀信徒さんがお見えになって。

入り来れないから、“立ち見(?)”までした。

 

ここまでは、まだ良いでしょうが・・・

「じゃ、あなたとあなたは、客間でお食事をどうぞ。」

「他の皆さんは、とっととお帰り下さい。」

・・・っていうのじゃ、胸クソ悪い思いをする方が、いらっしゃいますよね。

 

例が極端ですが、そういう思いをさせたくないがための「ファンクラブ」。

まぁ、“賛否両論”あるでしょうが。

 

他に、“名案”があればご教授くださいm(__)m

中古品

宗勝寺では“毎月1日 午後2時”より、「題目講(だいもくこう)」という行事を行っております。

平たく言えば、ご一緒に“お経・お題目”をお唱えする行事。

 

「お経なんて、読めるかしら?」という、初めての方でも大丈夫。

丁寧にお教えしますし、参加の皆さん、どなたでも読めるようになります。

最後には住職の“法話”もございまして、この日のために、私も勉強させていただいております。

 

この「題目講」、何度か“解散”の危機を迎えたこともありました。

“紆余曲折”ありまして、今に至ります。

 

・・・というか、「最後のひとりになろうとも、続けてやろうじゃねぇか」と。

そう、私が腹を括っている行事でもあるのです。

 

とにかく、(常に)参加者募集中です!

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ちなみに、終了後には“茶話会”あり(^^)

 

そんな、宗勝寺に最低でも“月イチ”通いする皆さんですが。

それでも中々、お気付きにならなかったほど、周囲に溶け込んでいたのは・・・

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・・・こちら。

 

宗勝寺ペット供養墓「追想墓」を望む、景色ですが・・・

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以前の状態(上記画像)と見比べれば、お分かりでしょうか?

 

現在、師匠のお寺「浄国寺」では・・・

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“外塀”の、改修工事中。

 

改修前の外塀の一部分に設置されていた、“目隠しフェンス”。

「廃棄」って言うんで、「くれよ」っつー訳で・・・

実はこのフェンス、「中古品」(しかも、タダ)。

 

ですから・・・

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ちょっと“寸足らず”なのは、ご愛敬(-。-)y-゜゜゜

 

(間近で見れば“粗”が見えますが)“洗浄”してしっかり施工されてますので、上等ですよ。

むしろ、良い感じにヤレてるせいか、周囲に溶け込み過ぎて、中々気付かれないのです。

 

まぁ、「貧乏臭せぇ」と仰る方も、いらっしゃるかもしれません。

しかしながら現実として、資金繰りが“潤沢”なお寺なんて、そう多くありません。

 

・・・私の祖父母が、相次いで亡くなった際。

隠居して2人で住んでいた家は、“空家”になりました。

 

“築10年”にして、当時“4年間”の無人。

外見こそ綺麗そのものでしたが、内部の“荒廃”は想像を超えてましたね。

「え、こんなになっちゃうの?」って感じ。

 

皆さんが、久しぶりの場所にお出かけの際、こう思ったことはありませんか?

「あぁ、ここはいつ来ても変わらないね」と。

 

「変化が無い」状態に保つのって、相当の努力なんですよ。

状況が“好転”してるとしたら、それはもう凄いこと。

 

できることを、できる範囲で。

最低限の投資にて、最大限の成果をあげられるよう、日々邁進いたします。

絶対に儲かる話

お坊さんの仕事って、一言で言えば・・・

「“布教”すること」なんですよね。

 

つまり、それぞれの“宗教・宗派・経典”の教えを、弘めること。

皆さんが、豊かで幸せな日々を送っていただけるような“価値観”の、ご提案・・・

・・・と言いますと語弊があるかもしれませんが、“ニュアンス”だけはお分かり頂きたいと思います。

 

「布教 = “説教”」に限った話じゃありません。

それは、学校で習うことだけが勉強じゃない、ってのと同じこと。

 

そのためには、あらゆる方面から人と向き合わなければいけないのでしょうし・・・

またそれに加えて、その人の“人生”の節目節目において、お付き合いする存在でもあります。

それこそ、「ゆりかごから墓場まで」ってやつ。

 

結婚式の“プランニング”や、新郎新婦への“アドバイス”などを行うのが「ウエディングプランナー」で・・・

映画やテレビ番組などの作品の、製作全体を“統括”するのが「プロデューサー」。

 

・・・それどころじゃない。

お坊さんは、人生の「トータルコーディネーター」です。

 

「良い」とか「悪い」とかじゃないんです。

こんな「面白い」仕事、他にあったら教えてください。

69 書道をしている様子

しかしながら、そういった活動をするためには、やはり日々勉強ですね。

前回の話じゃありませんが)実は我々の業界、嫌になるほど“研修会”ってものがあります。

 

・・・以前、「どんな人の話を聞きたい?」と、講演内容を討議する“会議”がありまして。

私、ある“業種”が、これからの寺院経営に役立つと考え、その旨の発言をしましたところ。

「お前、訳の分からないこと言うな」と、一蹴。。。

 

やっぱり、我々の研修会における“スタンダード”って・・・

なぜか、偉いお坊さんの“講演”を拝聴する形式が、圧倒的に多いんです。

 

webにも絶対載ってないような特殊分野の研究をなさってる、“学者系”のお坊さんの話、とか。

また、「俺はこんなことやってきたぜ」なんていう、“ノウハウ系”のお坊さんの話、とか。

 

悪い言い方をすれば、「あぁ、こういう方もいらっしゃるんだなぁ。。。」と。

そんな感覚も、よくよく考えれば・・・

そもそも、坊主が坊主の話聞いたって、面白い訳ないんですよね。。。

 

結局、本当に興味がある人は・・・

お金を払って、一般開催されている“講演会”に行っている始末。

 

まぁ、「絶対に儲かる話」なんてものは、無いんです。

仮にあったとしても、間違いなく人には教えないでしょうから。

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