寺は、大黒でもつ
昨日は、多古町「能満寺」さまにて・・・
「彼岸会」に、出仕させていただきました。
また、併せて「大黒祭」も、厳修。
“大黒天(大黒さま)”の秘法は、日蓮宗大荒行堂の・・・
参行僧(3度目の入行)に、相伝されるもの。
御宝前には、檀信徒の各家庭より持ち寄られた、“子大黒”のご尊像。
その秘法に則り、一体一体丁寧に“沐浴”され・・・
最後には、参列の皆さまへご祈祷させていただきました。
“大黒さま” と言えば、「福徳・食糧(食堂)・生産・貿易」を司り・・・
「五穀豊穣・商売繁盛・長寿・出世・開運 etc.」の、ご利益が。
まさに、“福の神”というイメージで・・・
お寺だけでなく、様々なお宅でお祀りされるようになった訳です。
さて。
私が、“20代前半”の頃でしょうか。
ある檀家さん(女性)が、事有る毎に・・・
「早く、“大黒さん”をお迎えしなきゃねぇ。。。」と。
当時、荒行堂に入行するなんて、“これっぽっち”も思っていなかった私は・・・
「3回も、行って来いってことか。。。」
・・・と、“苦笑い”を浮かべたのでした。
その後、「大黒 = お寺の奥さん」ということを知り・・・
それはそれで、“苦笑い”を浮かべることになった訳ですが。
お寺の奥さんは、(日蓮宗では)“寺庭夫人(じていふじん)”なんて。
“大黒”というのは、(多くの宗派で用いるものの)あくまで、“俗称”のようで・・・
大黒天が、“台所”にお祀りされることに、なぞらえているそうな。
「寺は、大黒でもつ」なんて言葉も、あるくらいで・・・
まさに、“大黒柱”をイメージしてしまいますが。
僧侶の“妻帯”が許されたのが、明治時代ということから考えれば。
よくぞこの短期間で、これだけ幅を利かせ・・・
・・・もう何も言うまい。。。
ちなみに。
私が結婚した際、(特に檀家さんから)最も質問されたのは・・・
「やっぱり、(相手は)お寺の娘さん??」ってやつ。
「寺 to 寺」のパターンは、(私の周りでは)指折り数える程度。
昔は、そんな感じが多かったんでしょうか。
(一般家庭で育った)妻に、聞いてみました。
「“寺に嫁ぐ”って言ったら、周りは何て言ってた??」と。
一番多かったのは、「大変そう/よく決断した」という意見だそうですが・・・
本人曰く、「勤めてた時の方が、よっぽど大変。。。」とのことで。
「肉とかお酒はダメなの??」なんてことも、聞かれたそうですが。
思わず、笑ってしまったのは・・・
「医者と坊主は“変態”だって聞いたけど、大丈夫??」ってやつ。
・・・もう何も言うまい。。。
合掌
大黒天には法華経から見た別の意味もあるそうです。
左手で強く握りしめている袋の中には「愚痴」が一杯入っており、強く握りしめて
いないと愚痴は自然と表へ毀れてしまう。そして左手の小槌は仕事です。
愚痴を言わず、笑顔で一生懸命仕事をすれば財宝等は自ずから集まる(米俵ですね)。 つまり三毒(怒り、貪り、愚痴の心)を減する事。安楽行品14の「減三毒・出三界・破魔綱」・・・・・腹の立つ事、気に食わないこと、それを袋の中に全部押し込めて
愚痴が毀れないようにすれば笑顔になる。・・・・と言うことだそうです。
以上の説は行堂中に三行のお上人が個人的に五行のお上人から教わったとの
ことです。 私も、減三毒は日常生活でも意識してはいるんですが、袋の中から毎日愚痴が毀れています。愚痴を言うときは確かに笑顔では有りませんね。 再拝
仰る通りですね!
(小槌で)コツコツと、マメ(魔滅)に真っ黒(大黒)になって働く(傍を楽)ことが、大事な訳です。。。