歯車

本日(4月12日)、師匠のお寺「浄国寺」にて・・・

千部会(せんぶえ)」が、厳修されました。

 

たくさんのお経を読み、その功徳を以て“祈願”や“供養”をする。

・・・というスタンスが、「千部会」の共通項ですが。

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「浄国寺」の場合、“自我偈(じがげ:妙法蓮華経如来寿量品第十六の偈文)”を・・・

のべ“千回”読むことを、「一部(相当)読んだ」と、みなしています。

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一年に一部、千年で千部。

 

“たった一回”を終えるために、千年がかりの行事。

このお寺の開山年からするに、未だ“折り返し地点”にも到達していないのです。

 

さて。

 

先日、うち(宗勝寺)に“固定資産税”の納付通知が、届きました。

これは、(僅かながら)“貸借地”分に対してのもの。

 

“境内地”等、宗教法人が本来の目的で使用する、土地に関して・・・

“非課税”だということは、皆さんもご承知の通り。

 

じゃ、「なぜ??」という話になるのは、当然の流れかと思いますが・・・

模範的解答(?)として、「公益性が、認められているため」ということになるかと、思います。

“公益性”とは、「不特定多数の人間の、利益になる」と言えば良いのでしょうか。

 

「お寺は、“公共施設”なんですか??」

・・・と聞かれると、(私には)難しい質問です。

 

確かに、誰もが(勝手に)山門をくぐり、お参りしても良い訳ですが・・・

お寺は、“宗教法人”というだけあって、立派な“法人格(会社)”ですからね。

 

その“法人”の、代表役員(社長)は、もちろん“住職”。

「じゃあ、お寺は住職のもの??」

・・・と聞かれれば、それは「NO」です。

 

本堂も、境内地も、墓地も、庫裡(住まい)も・・・

お寺の財産であって、住職個人の財産にはならないのです。

 

現在、宗勝寺の“境内地”は・・・

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変貌を遂げようと、しております。

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自分のものにもならないお寺を、なぜキレイにしようとするのでしょうか??

 

「“公益性”を保つために。。。」

・・・なんて言ってる坊さん、見たことありません。

 

「見栄を張りたい。。。」

・・・って言っても、自分のものになる訳じゃないし。

 

「跡継ぎのために。。。」

・・・って、息子が後継ぐかどうかなんて、分かりません。

 

「仏教(宗派・宗祖)の教えを、伝えるために。。。」

・・・って、それこそ関係無ぇし。

 

キレイになって、喜ぶ檀信徒さんは多いかもしれませんが・・・

万人から賞賛を受けるような事業なんて、ありませんからね。

 

きっと、この答えは・・・

前述、「千部会」の精神ではないでしょうか。

 

・・・私たちは、「歯車」なんですよ。

それも、できれば淀みなく回る「歯車」で、ありたいものです。

知らぬが仏

本日(4月8日)は、お釈迦さまがお生まれになった日。

 

「花まつり/釈尊降誕会(しゃくそんこうたんえ)/灌仏会(かんぶつえ)」などと呼ぶ・・・

ご生誕を祝う法要が、全国各地で行われます。

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こちらは、うち(宗勝寺)の“誕生仏”。

お釈迦さまがお生まれになった際の姿を、表しているとされます。

 

生まれてすぐに7歩あゆみ、右手で天を、左手で大地を指し、四方に向かって・・・

「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と、お唱えになったと。

 

「天上天下(宇宙のどこを見ても)唯我独(“私”という存在はひとりだけ)尊(だから、尊い)」

・・・ということで、平たく言えば“only one”の素晴らしさを、説いている訳です。

 

さて。

 

私事ですが、先日、我が家の自動車を“売却”する機会がございました。

私自身、納得できる金額で、買い取っていただきました。

 

そして、通りがかりに(うっかり)目にしてしまったのは・・・

店頭に並ぶ、“2日前”までは我が家の車。

 

フロントガラスには、(売却金額+30万円の)プライスボードが。

そして、そこには大きな文字で、「ご成約車」と。

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「そんなもんだ」ということは、重々承知していたつもりだったのですが・・・

「知らぬが仏」とは、このことですね。

 

・・・話を、元に戻しますが。

本来“誕生仏”は、“花御堂(はなみどう)”という、小さいお堂(?)にお祀りします。

“花御堂”にお祀りすることもできず、檀信徒の皆さんにお声かけすることもなく・・・

「俺みたいのがいるから、今一つ“花まつり”が盛り上がらないんだろうな。。。」

・・・と、毎年“自己嫌悪”に陥ります。

 

以前、ある檀家さんより、「“花御堂”を、ご寄進したい」とのお申し出を受けました。

実は、お寺にはこんな“カタログ”が、幾つも届くものでして・・・

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ご覧いただいた際の、檀家さんの引きつった顔。

 

きっと、“仏具”というジャンルの価格設定が・・・

ご自身のイメージと、かけ離れていたのでしょう。

(品質・製作行程からいえば、妥当(?)なのかもしれません。。。)

 

結局、お互いに気まずい思いをして、話は終わった訳ですが・・・

それは、「知らぬが仏」だったのでしょうか??

私も、「言わぬが花」なのでしょうか??

 

現在、“花まつり”に関しては、“優先順位”を言い訳にして・・・

(きっと)無理をすればできなくもないことを、やらないでいます。

 

その檀家さんのためにも、いつかは私自身が、ケツを拭きたい。

今年も念のため、言っておきます。

 

「来年こそは。。。」

人は、見た目が9割

先日(4月3日)、多古町「妙光寺」さまにて・・・

「千部会(せんぶえ)」に、出仕させていただきました。

 

“部”とは、お経を数える上での“単位”を表していますので・・・

「千部会 = お経を“千回”読む法要」ということになります。

 

「ひとりで千回/皆んなで“のべ”千回/“たくさん”ということを千回と比喩する」

・・・というように、お寺によって「千部会」の捉え方は多様です。

動画は、平成24年の際のものですが・・・

今年は(恐らく)過去最多、40名近くの僧侶が出仕する大法要となりました。

 

また、この日は・・・

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丸一年がかりで行われた、“本堂屋根替え大改修”のお披露目(使い始め)も兼ね・・・

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「花まつり(お釈迦さまの誕生を祝う法要)」の、“稚児法要”も。

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さらに、法要の合間には地元出身歌手の“コンサート”や、“日本舞踊”の発表など・・・

満開の桜のもと、境内は賑わいを見せました。

 

さて。

 

(本堂落成を兼ねた)「千部会」の最後に、ご住職は・・・

「本堂が立派になると、神仏もご威光を増したように見える」という旨の、ご挨拶をなさっていました。

 

(例えが稚拙で恐縮ですが)同じものを食べるにしても、どんな食器で食べるのか。

どんな部屋で、どんな景色を見ながら、誰と食べるのか。

 

「外見と内面、どっちが大事??」

・・・と聞かれたら、あなたは何と答えますか?

 

極端な話、金銀財宝も“古新聞”で、包んでいたら・・・

“ゴミ”と間違えて、捨ててしまうのではないでしょうか。

 

一説によれば、「人は、見た目が9割」といいます。

(“顔かたち”の話では、ありませんよ。。。)

 

その人の人物性は、“第一印象”でそのほとんどが判明され・・・

“第一印象”のイメージは、その後も中々修正されることは無いのだそうな。

 

確かに、しかるべき場所に、汚れた服装で来る人を見れば・・・

その人の内面がそうでなくても、色々な“イメージ”をしてしまいます。

(だらしない/約束事にルーズ/雑な仕事をする etc.)

 

本日も私は、ご法事の折に人前で“法話”してまいりましたが・・・

「表情6割/話し方3割/内容1割」

・・・というほど、“見た目”は大事なんだとか。

 

話が少々、脱線しましたが・・・

外見と中身、どちらも磨いていきたいものです。

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宗勝寺古墳の筍(たけのこ)、今年の初堀り。

“初物”を食うと、寿命が75日延びるってよ。

 

今夜は、“筍ごはん”です。。。

初午

昨日(3月31日)は、「初午(はつうま)」の日でした。

(平成27年の旧暦初午のことです。。。)

 

宗勝寺がある、千葉県香取市(佐原地区)は・・・

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画像のように、(利根川系)水運を利用して栄えた、商業の町。

 

古くからある町内で、それぞれに“お稲荷さん”を勧請したのは・・・

その時代の、“商人”を中心としてのことだったのかもしれません。

 

生まれた時から、この地に住んでいたとしても・・・

「お稲荷さん?どこに??」

・・・と仰る方も、いらっしゃるかもしれません。

 

年に一度、「(稲荷大明神のご縁日)初午」の日だけは・・・

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いたるところに、このような(5M程でしょうか)“のぼり”が立てられます。

 

私は毎年、「南横宿区」さまのご依頼で、“ご祈祷”させていただいておりますが。

やはり、こちらも・・・

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人がすれ違うことができないような、路地を抜けたところに。

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こちらの「笹+旗」は、参詣者が持ち帰るそうで・・・

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こちらの小さい“お宮”は、各家が次の「初午」まで預かるそうな。

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町内各家が、“ローテーション”でお祀りするシステムですね。

 

一昔前は、路地から人がはみ出るほど、“行列”ができたとか・・・

子どもたちが、一日がかりで「笹+旗」を集めて回ったとか。

(その際、お菓子や甘酒をもらいながら。。。)

 

残念ながら、現在はそのような隆盛は見受けられませんが・・・

それでも、脈々と信仰が伝えられています。

 

さて。

 

こちらは、師匠のお寺「浄国寺」境内(参道脇)の、“お稲荷さん”。

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町内(寺宿区)の有志が、日蓮宗の本山「日本寺(千葉県香取郡多古町)」さまの・・・

“豊田岡田稲荷大明神”を、分祀していただく形で、こちらに勧請。

つまり、(要請により)寺の境内地を貸借した訳です。

 

ところが、時代は流れ。

 

町内の方の口からは・・・

「なんで、ここだけは俺らが掃除しなきゃいけないの??」と。

(もちろん、“所有/管理”は、町内の方々になる訳ですが。。。)

 

話し合いの末、境内地が・・・

(上物をそのままに)寺に返却されたのが、“平成22年”のこと。

 

管理する権利を譲渡され、お宮の扉を開いた時・・・

その中身は、“空っぽ”でした。

(どのような経緯があったかは、知る由もありませんが。。。)

 

そして、この度・・・

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無事に、“改修”が完工。

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コンパクトになった祠は、実はまだ“空っぽ”のままですが・・・

ここ数か月のうちに、まず“再勧請”を。

 

来年の「初午」には、“稲荷大明神大祭”を復活する予定です。

ファミリービジネス

先日の予告通り、檀信徒研修会「知恩報恩」が・・・

IMG_0330多古町文化ホールにて開催され、スタッフとして参加してまいりました。

 

下記画像は、開会式の後に厳修された、“御報恩法要”の様子。

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参加者(約500名)に対し、“ご祈祷”も行われ・・・

法要終了後には、“高座説教”を拝聴。

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閉会セレモニーとして、少年少女有志による“合唱”と・・・

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・・・参加の皆さまは、有意義な一日を過ごすことが出来たのではないでしょうか。

 

ちなみに・・・

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うちのアレも、“出店依頼(?)”をいただきまして。

(料金は、すべて寄付させていただきました。。。)

 

・・・さて。

 

先日、テレビを見ていますと、いわゆる“お家騒動”。

「“〇〇家具”の、株主総会が行われ。。。」

・・・と、その決着が報道されたことは、皆さんもご存知のことかと。

 

「家族で揉めるなんて、悲惨だねぇ。。。」

・・・なんて、他人事では済まされません。

 

“同族経営・世襲制”の企業を、「ファミリービジネス」なんて言いますが・・・

一説によれば、世界の企業数の“約7割”は「ファミリービジネス」で。

 

さらに言えば、日本の「ファミリービジネス」の割合は・・・

なんと、“95パーセント”というから、驚きです。

 

僧侶の“婚姻”が正式に認められた、明治時代以降・・・

お寺の「ファミリービジネス」率は、きっと“超高確率”でしょう。

 

まぁ、どうでも良いんですけどね。

 

そんなことよりも、(お寺に関して)恐ろしいのは・・・

“完全家族経営”とも言うべき、外部遮断型の経営体制の、割合の高さ。

(うちも、まったくその通りですが。。。)

 

また、輪をかけて恐ろしいのが・・・

有資格者に対する、“経営者”の割合の高さでしょう。

 

こと“経営”に関しては、(我々の業界)勉強不足は否めず・・・

「経営=金儲け=恥ずかしいこと」

・・・という図式も、拭いきれていないのが、現状かもしれません。

 

話は、逸れましたが。

 

“完全家族経営”の、我々にとっては・・・

出来ることと、出来ないこと。

やりたいけど、出来ないこと。

皆んなでやれば、出来ること。

・・・と、様々なケースが、ございます。

 

上記(檀信徒研修会「知恩報恩」)のようなことも・・・

全てのお寺が、各お寺単位で出来ることではありません。

 

“見せる”ことは容易くても、“魅せる”ことは難しいのです。

スタート

先日、“満104歳”の方のご葬儀に、関わる機会を得ました。

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“明治生まれ”とひとくくりにしては、失礼な話ですが・・・

「明治→大正→昭和→平成」と、世の中の移ろいは、どうご覧になったのでしょうか。

 

「最近の若いもんは。。。」なんて、よく聞く言葉ですが。

見方を変えれば、その発言は・・・

世の中の流れに、ついていけなくなっているだけのことかもしれません。

 

私も、言われる立場から言う立場に、変わっていくのでしょうか??

時代の流れには、ついていきたいものですが。

 

さて。

 

季節は巡り、うち(宗勝寺)の“ソメイヨシノ”も・・・

「もう間もなく。。。」と、言ったところ。

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報道では、都内でも桜が“開花”したそうで。

 

(何とも味気ない話ですが)私が、“春”を実感するのは・・・

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車のタイヤを、「スタッドレス→サマータイヤ」に履き替えた時。

 

いずれにせよ、気候はめっきりと、春めいてまいりまして・・・

自然の摂理からしても、新たな「スタート」を切るには、良い季節なのかもしれません。

 

そういえば、昨年の研修会にてお世話になった「三升家う勝」師匠が・・・

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“真打”に昇進されたという話を、伺いました。

 

四代目「桂右女助(うめすけ)」を襲名し、素晴らしい「スタート」をお切りになった訳で・・・

(ほぼ)同郷の方の躍進に、期待を膨らませるばかりです。

 

落語の舞台のことを、“高座”といいますが・・・

その大元を辿ると、“高座説教”というものから派生したと言われています。

55 高座説教

特に、日蓮宗の“高座説教”は、有名で。

 

日蓮大聖人の御一代を踏まえながら語られる、伝統的な説教は・・・

特別な修練(詳細は割愛します)を積まなければ、行うことはできません。

 

・・・興味を抱いた、あなた。

 

なんと、明日(3月29日)。

檀信徒研修会「知恩報恩」にて、“高座説教”をご覧いただけます。


・・・“御報恩法要(動画は以前のものです)”も、厳修されます。

 

【檀信徒研修会「知恩報恩」】

主催:日蓮宗千葉県東部宗務所
共催:日蓮宗千葉県東部檀信徒協議会

会場:多古町コミュニティプラザ文化ホール
(千葉県香取郡多古町多古2855)

12:00~ 受付
13:00~ 開会式
13:10~ 御報恩法要
14:30~ 高座説教
15:45~ 閉会セレモニー

※入場無料/800名収容

 

お時間ある方は、ぜひお越しください。
(当日参加可能です。。。)

寺は、大黒でもつ

昨日は、多古町「能満寺」さまにて・・・

「彼岸会」に、出仕させていただきました。

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また、併せて「大黒祭」も、厳修。

 

“大黒天(大黒さま)”の秘法は、日蓮宗大荒行堂の・・・

参行僧(3度目の入行)に、相伝されるもの。

 

御宝前には、檀信徒の各家庭より持ち寄られた、“子大黒”のご尊像。

その秘法に則り、一体一体丁寧に“沐浴”され・・・

最後には、参列の皆さまへご祈祷させていただきました。

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“大黒さま” と言えば、「福徳・食糧(食堂)・生産・貿易」を司り・・・

「五穀豊穣・商売繁盛・長寿・出世・開運 etc.」の、ご利益が。

 

まさに、“福の神”というイメージで・・・

お寺だけでなく、様々なお宅でお祀りされるようになった訳です。

 

さて。

 

私が、“20代前半”の頃でしょうか。

ある檀家さん(女性)が、事有る毎に・・・

「早く、“大黒さん”をお迎えしなきゃねぇ。。。」と。

 

当時、荒行堂に入行するなんて、“これっぽっち”も思っていなかった私は・・・

「3回も、行って来いってことか。。。」

・・・と、“苦笑い”を浮かべたのでした。

 

その後、「大黒 = お寺の奥さん」ということを知り・・・

それはそれで、“苦笑い”を浮かべることになった訳ですが。

 

お寺の奥さんは、(日蓮宗では)“寺庭夫人(じていふじん)”なんて。

“大黒”というのは、(多くの宗派で用いるものの)あくまで、“俗称”のようで・・・

大黒天が、“台所”にお祀りされることに、なぞらえているそうな。

 

「寺は、大黒でもつ」なんて言葉も、あるくらいで・・・

まさに、“大黒柱”をイメージしてしまいますが。

 

僧侶の“妻帯”が許されたのが、明治時代ということから考えれば。

よくぞこの短期間で、これだけ幅を利かせ・・・

・・・もう何も言うまい。。。

 

ちなみに。

 

私が結婚した際、(特に檀家さんから)最も質問されたのは・・・

「やっぱり、(相手は)お寺の娘さん??」ってやつ。

 

「寺 to 寺」のパターンは、(私の周りでは)指折り数える程度。

昔は、そんな感じが多かったんでしょうか。

 

(一般家庭で育った)妻に、聞いてみました。

「“寺に嫁ぐ”って言ったら、周りは何て言ってた??」と。

 

一番多かったのは、「大変そう/よく決断した」という意見だそうですが・・・

本人曰く、「勤めてた時の方が、よっぽど大変。。。」とのことで。

 

「肉とかお酒はダメなの??」なんてことも、聞かれたそうですが。

思わず、笑ってしまったのは・・・

「医者と坊主は“変態”だって聞いたけど、大丈夫??」ってやつ。

 

・・・もう何も言うまい。。。

あかんたれ

本日(3月18日)は「(春)彼岸」の、“入り”の日。

 

「春分/秋分」を中日とし、その前後3日間を合わせた・・・

合計7日間の期間のことを、「彼岸(ひがん)」といいます。

 

「彼岸」を読み下せば、「彼(か)の岸 = 向こう岸」と。

その“向こう岸”には、「迷いの無い世界」があるとされ・・・

言ってみれば、それが仏教でいうところの“悟り”ということになるのでしょう。

 

“向こう岸”があれば、“こちら岸”もある訳で。

「彼岸」に相対し、“迷い・苦しみ”にまみれた「此岸(しがん)」という世界が・・・

私たちがいる、この世界だということ。

 

つまり、「此岸/彼岸」の間には・・・

“煩悩(迷い)の川”が、流れているという考えになります。

 

仏教徒の“最終目標”は、「成仏(仏に成る)」すること。

それは、“悟り”を開くことであり、言い換えれば“煩悩(迷い)の川”を渡り・・・

「彼岸」に、行くことなのです。

094 彼岸花 その3

上記の話に、一切興味を持つことができなかった、あなた。

それは、至極当然のことかもしれません。

 

「仏に成る、成らない」なんて聞いたら・・・

「あ、私には関係ない話だ。。。」と。

 

あなたは、“結果”が遙か遙か彼方にあるものに、尽力できますか??

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(完全に個人的意見ですが)私は、“結果”がすべてだと思っています。

「過程が大事だ」なんて、言い訳に過ぎないとも思っています。

 

ただ、結果が“ダメ”と分かっていたとしても、“成功”に向けて尽力したなら・・・

その過程こそ、“結果”なのかもしれません。

むしろ、過程の無いものに“結果”なんて有り得ない訳ですから。

 

にも、似たようなこと書きましたが・・・

人生何事も、やらなきゃ“損”ですよ。

 

・・・と、いう訳で。

 

「彼岸」に近づくためには、“六波羅蜜(ろくはらみつ)”なる修行をせよ、と。

①「布施(ふせ)」は、分け与えること。

②「持戒(じかい)」は、戒律(ルール)を守ること。

③「忍辱(にんにく)」は、耐え忍ぶこと。

④「精進(しょうじん)」は、最善を尽くすこと。

⑤「禅定(ぜんじょう)」は、心を集中・安定させること。

⑥「智慧(ちえ)」は、真実の認識力を得ること。

 

一般的には、「彼岸」の7日間には“六波羅蜜”をひとつずつ実践し・・・

「中日には、ご先祖さまの供養を。。。」なんて、言われています。

 

また、あくまでも“六波羅蜜”は、常に実践し続けなければならないもので・・・

「彼岸」は、その“強化週間”と言ったようなもの。

 

そんな“強化週間”を、設定しなければならないほど・・・

私たちは、「あかんたれ」ということでしょうか。。。

正五九

先日、申し上げました通り・・・

現在、年頭(旧正月)“お経廻り”の真っ最中。

 

「正五九(しょうごく)」という言葉を、ご存知でしょうか??

平たく言えば、“正月・五月・九月”のことで・・・

別の言い方で、“三斎月”とも。

 

「正月=物事の“始まり”」

「五月=物事が最も“盛ん”になる時」

「九月=物事が“実を結ぶ”時」

 

・・・ということ(“区切り”という意味)から。

「正五九」には古来より、“お参り・お祓い・お祭り”が盛んに行われてきました。

 

また、(諸説ありますが)いわゆる“冥土の鏡(?)”が。

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「私たちの方に向けられる」とも、言われており・・・

そのため、せめて「“正五九”の間は、清く正しい生活を。。。」と。

 

「“正五九”=お経廻り」とするお寺も、ありまして・・・

うち(宗勝寺)の“お経廻り”も、この風習(の名残)として行っている訳です。

 

本日は、3月3日(桃の節句)ですね。

お仏壇に、“桜餅”がお供えされているお宅も多く・・・

また、“おすそ分け”として頂戴いたしました。

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お蔭で、お仏壇だけでなく、移動中の“車内”も・・・

この“桜餅”の良い香りに、包まれました。

 

本日お伺いしたお宅でも、様々な“雛人形”を拝見することができましたが・・・

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現在、地元(千葉県香取市)では「さわら雛めぐり」なるイベントも。

 

・・・今回の“お経廻り”中、当主である旦那さんが仰いました。

 

「(離れて暮らす)息子は、寺に興味がなくて困る」と。

息子曰く、「“葬式と法事”程度の依頼できれば、他に用は無い」と。

 

「“葬式と法事”やる気があれば、十分じゃないですか。。。」

・・・なんて、冗談半分で申し上げてしまいましたが。

 

“お正月”だろうが、“誕生日”だろうが、“クリスマス”だろうが・・・

何もやらなきゃやらないで、別に何も問題ありません。

 

体を壊さない程度の、栄養が取れれば・・・

“食事”だって、何を食べても死にはしません。

 

ただ、それじゃ、つまんないでしょ??

 

日本には、ありがたいことに“四季”があります。

それに加え、先人たちから伝えられた“慣習”があります。

 

その“時季”にしか出来ないことを、その瞬間にやってみる。

その“時季(旬)”のものを、食べてみる。

 

絶対に、楽しく、面白く、豊かです。

 

逆に言えば、何もやらなきゃ面白くない訳で・・・

せっかくの人生、“損”ですよ。

 

・・・と、付けくわえさせていただき。

旦那さんから、深い“頷き”を頂戴したのでした。

 

あ、そうだ。

 

“お経廻り”が、終わったら・・・

(初節句を迎える)息子の“五月人形”を、見に行こう。。。

終わりと始まり

巡業シリーズ、“ファイナル”は・・・

→第一弾

→第二弾

→第三弾

2月25日、山武市「蔵光寺」さまにて。

 

日蓮宗大荒行堂第参行(300日)を、成満されました・・・

「小堀善光上人」の“帰山奉告式”が行われ、スタッフとして参加してまいりました。

 

私、事ある毎に申し上げることですが・・・

行事は、「準備(段取り)、8割」。

 

こと“帰山奉告式”に関しては、その準備が大がかりで・・・

さすがの私も、(これだけ続くと)心が折れかけました。

 

しかしながら、今回。

 

ここに来て初めて、多少の余裕を感じることができたのは・・・

この「こだわりの男」の“敏腕”に、助けられたからでしょう。

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お分かりでしょうか??

 

階段の“遠近感”を、出すために・・・

幣束のサイズを、“3種類(小→大)”使い分けているのが。

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↑水行場  ↓本堂内

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見れば見るほど・・・

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その“こだわり”を、感じることが出来ます。

 

当日は・・・

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もちろん、無事に・・・

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“帰山奉告式”は、円成。

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・・・第参行の相伝は、“大黒天”の秘法。

 

御宝前には、多くの檀信徒より申し込まれた・・・

“大黒天”のご尊像が、並びました。

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また、第参行は「荒行堂の“華”」と、言われます。

 

その言葉に相応しい、“帰山奉告式”・・・と言うよりは。

素直に、「恰好良いな。。。」と。

 

とにかく。

 

この“(私にとっての)巡業”が、無事に「終わり」・・・

今は、「ホッ」としています。

 

でも、「終わりがあれば、始まりもある」

・・・と、いうことで。

 

うち(宗勝寺)の場合、“お経廻り”は・・・

「お盆/旧正月」の、年2回。

 

今年(平成27年)の“旧暦元日”は、2月19日でしたが・・・

今になってようやく、こちらの準備が整いました。

 

明日(2月27日)が、“お経廻り”の「始まり」。

該当の檀信徒の皆さま、よろしくお願いいたします。

 

・・・もうひとつ、「始まり」と言えば。

 

「蔵光寺」さまのある山武市は、ブランド材“山武杉”の宝庫。

こちらに、丸2日間お邪魔しましたところ・・・

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見事に、今年の“花粉症”が「始まり」ました。

 

今年の“飛散量”は、例年の2倍だそうですが・・・

こちらは、早く「終わり」を迎えていただきたいものです。

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